■ここからのユーロ/米ドルはゆっくりとした上昇へ
9月7日(木)にECB(欧州中央銀行)理事会がありました。
以前、ドラギECB総裁がテーパリング(※)を「秋に議論」すると発言していたこともあり、今回の理事会でテーパリング開始を示唆する可能性もありましたが、次回10月の理事会で大枠を決めることが明らかになりました。
さらに、ドラギECB総裁からユーロ高をけん制する発言も出たことで、ユーロは瞬間的に下がるときもありましたが、まだ下がれば買いたいと考える向きが多いようで、ユーロ/米ドルは8日(金)に1.2092ドルまで上昇しました。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 4時間足)
トレードの方は、ユーロの調整を狙ってECB理事会前にユーロ/円を売っていましたが、建値にストップを引き下げたこともあり、手仕舞いしました。その後は、ユーロ/米ドルの上昇を見越して、ユーロ/米ドルの買いを保有しています。
【参考記事】
●北朝鮮リスクでドル/円下落も急反発警戒! 上昇再開のユーロ/米ドルは新ステージへ(9月11日、西原宏一&大橋ひろこ)
●北朝鮮も気になるが、ECB理事会に注目。なぜ、ユーロは調整すると考えるのか?(9月5日、バカラ村)
●どのみちユーロは上昇する宿命だった!? ユーロ/ドルは上昇再開、押し目買い戦略で(8月29日、バカラ村)
ユーロ/米ドルのここからの上昇は、ユーロ高けん制発言も出てくるためスピードは落ちると思いますが、ECB理事会で今年の成長見通しが上方修正されたこともあり、ユーロ圏の経済の強さからは、まだ上昇すると考えています。
以下はユーロ/米ドルの日足チャートです。

(出所:Bloomberg)
上昇チャネルラインの下限が1.17ドル台半ば、上限が1.22ドル台に上がってきており、ゆっくりとした上昇は続くのではないかと考えています。
■英ポンド/円は底打ち示すパターン、下がれば押し目買い
今週(9月11日~)は、米国や日本の重要イベントが少なく、14日(木)に米CPI(消費者物価指数)、15日(金)に米小売売上高の発表はありますが、あまり目立ったものはないです。
一方、英国では12日(火)にCPI、13日(水)に雇用統計、14日(木)に英MPC(金融政策委員会)とイベントが続きます。
以下は英ポンド/円の日足チャートです。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:英ポンド/円 日足)
英ポンド/円はテクニカル的に「ヘッド&ショルダーズ・ボトム」(※)を形成し、昨日(9月11日)、ネックラインも超えてきています。
(※編集部注:「ヘッド&ショルダーズ・ボトム」とはチャートのパターンの1つで、大底を示す典型的な形とされている。日本語では逆三尊とも呼ばれる。また、「ヘッド&ショルダーズ・ボトム」の逆で、天井を示す典型的な形が「ヘッド&ショルダーズ」(三尊))
英ポンド/円はまだ上昇する余地があるため、経済指標で少し悪いぐらいの数字が出て下がったところは、短期的に押し目買いのポイントとなりそうです。
中長期的にはユーロ/米ドルの上昇を見込んでおり、下がれば買いたい人がまだいるのではないかと考えています。
ただ、上がればユーロ高けん制発言にも警戒感が出てくるため、利食いも出て上値が抑えられることから、上昇はゆっくりとしたものになりそうです。
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