■ビットコインは一時170万円近くまで急騰
みなさん、こんにちは。
まず最初の話題は驚愕のビットコインから。
先週(11月27日~)、100万円が130万円に急騰してマーケットの話題になっていたビットコインですが、一時170万円近くまで急騰しています(一部では190万円を超えたところも?)。
【参考記事】
●Brexitの清算金大筋合意で進展に期待! 英ポンド上昇で重要な節目突破なるか?(11月30日、西原宏一)
●ビットコインがついに100万円を突破!! CME上場とハードフォーク期待が背景に!?

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ビットコイン/円 日足)
さすがにバブルの様相を呈してきました。
ボラティリティが極端に高いので、取引は慎重に。
■米大使館のエルサレム移転決定でマーケットは?
12月6日(水)の日経平均は、445円もの急落を演じ、2万2177円でクローズ。
一時、500円安に…。

(出所:Bloomberg)
この急落の背景は、12月8日(金)のSQ(※)を控えてということになるのですが、直接のきっかけとなったのは、下記のトランプ大統領の決断。
(※編集部注:「SQ」とは日経225先物などの株価指数先物や株価指数オプションといった取引の最終決済を行なうための価格のこと)
「エルサレムを首都に認定」トランプ氏が正式表明
トランプ米大統領は6日、エルサレムをイスラエルの首都として公式に認め、米国大使館を現在のテルアビブから移転する準備に着手するよう国務省に指示したと発表した。これらの決定は「米国の国益」であり、イスラエルとパレスチナの中東和平の進展につながるとの認識を示した。一方、アラブ・イスラム諸国は一斉に反発し、抗議デモも広がっている。
ティラーソン国務長官はこれを踏まえ、「直ちに移転の準備を始める」との声明を出した。具体的な移転時期は明示していないが、米政府高官は数年かかるとの見通しを示している。エルサレムを首都として認めていないアラブ諸国は反発を強めており、中東情勢は緊迫の度を増してきた。
出所:日経新聞

エルサレムをイスラエルの首都と認定し署名入りの書類を掲げるトランプ大統領
(C)Chip Somodevilla/Getty Images
この米大使館のエルサレム移転については、唐突に決まったわけではありません。
そのため、12月6日(水)のNY市場の米国株は、日経平均の急落には追随しませんでした。

(出所:Bloomberg)
■中東問題に深刻な影響を与えるリスクも…
しかし、この問題は長期化しそうです。
米大使館がエルサレムに移転されることは、「エルサレム大使館法」として、米議会が成立させています。
成立されたのは、20年以上もさかのぼる1995年。この成立には期限がついており、1999年5月31日までに実施することになっていました。
しかし、この米大使館のエルサレムへの移転は、中東問題を悪化させることが明白なので、大統領権限で半年ごとに延期してきました。
ところが、今回、トランプ大統領は延期せず、エルサレムへの大使館移転を決定。
これは、いかにもトランプ的。
20年前の「エルサレム大使館法」は、圧倒的多数で米議会で決定されています。それを廃案にするわけでもなく、長期に渡って延期してきただけの法案。別に延期したからといって、中東問題にプラスになっているわけでもありません。
そこで、トランプ大統領は、公約でもあるこの法案を実施することを決定。この決定の裏には、トランプ大統領の娘婿であるクシュナー(ユダヤ教徒)氏の存在が影響しているとウワサされています。
ただ、彼の今回の判断は大間違いで、マーケット参加者が危惧しているように中東問題に深刻な影響を与えるリスクは少なくありません。かといって、ただ半年ごとに延長し続ければいいのかと言われれば、それがいいとも言えません。
このエルサレム移転の話題は、これからマーケットに、徐々に影響を及ぼすのでしょう。
トランプ大統領が公約を実行したことで「代償を払わせられるリスク」が高まったことから、この報道は、米ドル/円と日経平均にとっては、ネガティブ材料になりそうです。

(出所:Bloomberg)

(出所:Bloomberg)
■銅急落で中国経済減速、豪ドル/円下落を連想
今週(12月4日~)のマーケットのもうひとつの話題は、銅の急落。
一時4.7%もの急落を演じています。

(出所:Bloomberg)
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の銅先物3月限は前日比4.7%安の2.946ドルで終了。
約3年ぶりの大幅下落となった。中国の需要鈍化の見通しやドル高、在庫増が響いて1ポンド=3ドルを割り込んで取引を終えた。
出所:Bloomberg
銅が急落すると、中国経済の減速、ひいてはグローバルの株価調整、そして、豪ドル/円の下落という連想が働きます。
今年(2017年)の豪ドル/円は、9月に一時、90円台まで反発したのですが、本邦個人投資家から、まとまった豪ドル/円の売りが持ち込まれたこともあり、その後、じり安の展開。

(出所:Bloomberg)
前述のように、米国大使館のエルサレム移転問題のような地政学的リスクや、銅の急落など、マーケットに不安定要因が少しずつ増えてくると、株の代替でもある豪ドル/円は、あっさり値を崩す傾向があります。
11月初旬にトップアウトして上値が重くなってきている米ドル/円に加え、銅の急落もあり、じり安の展開になっている豪ドル/円の行方に注目です。
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