■シリア問題は短期的なリスク要因に過ぎない
トランプ米大統領は、これまで何度も金融市場の動きに影響を与えるような行動を取ってきましたが、今度は、シリア問題が持ち上がっています。
トランプ米大統領がツイッターで、フランスなどと共同し、シリアに空爆を仕掛けると公表したことで、金融市場が非常に神経質になっているのです。
その結果、市場は全体的に、ややリスクオフの流れで、株安、円高になっていますが、今のところ、動きはそれほど大きくはありません。
(出所:Bloomberg)
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また、こうした中東での地政学リスクを懸念して、原油価格が上昇しています。指標となるWTI原油先物価格(NY原油)は、1バレル=67ドル台まで、一時上昇しました。
(出所:Bloomberg)
しかし、どういう結果になろうとも、この問題が金融市場に与える影響は一時的なものに終わると考えているので、あくまで短期的なリスク要因であると捉えておきたいと思います。
■新年度入り。でも投資家の様子見気分は続きそう…
さて、新年度の4月に入って、もう2週間近くが経過してきました。
【参考記事】
●新年度入りでニューマネーの流入に期待! 米ドル/円はどこまで戻すか慎重に見極め(4月2日、西原宏一&大橋ひろこ)
例年であれば、新規マネーなどが積極的に金融市場に流れ込んでくるのですが、今年(2018年)は、動きが非常に鈍いです。
トランプ米大統領が、関税などの政策を打ち出したこともあって、投資家が様子見気分を強めてしまっているということでしょう。
この状態は、まだしばらく続く可能性が高まってきました。
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■米国の対中貿易赤字削減は必須課題。先行きは不透明
通商交渉に関しては、米国とカナダとメキシコ間の、いわゆるNAFTA(北米自由貿易協定)の見直し交渉が、かなり進展してきていると、トランプ政権は言っています。韓国とのFTA(自由貿易協定)の内容見直しも、同様です。
こうした交渉がまとまっていけば、金融市場は落ち着きを取り戻すのかもしれません。
【参考記事】
●膠着相場が続く中、典型的な教科書通りのヘッド&ショルダーを形成した通貨ペア発見(4月10日、バカラ村)
ただ、問題は、中国と日本です。
中国は、米国の制裁措置に対抗して、同額程度の対抗措置を準備しました。これから、この交渉が本格化していくでしょう。
前回のコラムでも紹介したとおり、トランプ米大統領としては、中国との年間40兆円にも及ぶ貿易赤字の削減を実現することは、必須課題です。これから激しい交渉が行われることが、予想されます。先行きは、依然として不透明です。
【参考記事】
●米ドル/円は100円へ?それとも110円へ? 鍵を握るのは米中の貿易摩擦を巡る交渉(4月5日、今井雅人)
日本も同様です。来週(4月16日~)、17日(火)から18日(水)の…
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