■米中貿易戦争は第2幕へ。将来の不安材料に…
心配なのは、中国との関税問題です。米中の貿易戦争は現在、第2幕を迎えています。
8月23日(木)に、米中双方が160億ドル相当の輸入品に、それぞれ25%の追加関税を発動しました。9月にはさらに、米国は2000億ドル相当、中国は600億ドル相当の輸入品に、追加関税を課す構えです。当面、両国が歩み寄りを見せる様子は、まったくありません。
さらに、トランプ米大統領は北朝鮮の非核化について、中国が消極的であるため、北朝鮮との会談を中止すると発表しました。
米中の貿易戦争は第2幕へ突入。両国が歩み寄りを見せる様子はまったくなく、9月には双方がさらなる追加関税措置を発動する予定になっている (C)Bloomberg/Getty Images
中国はすぐさま反論しましたが、こうしたギクシャクの背景には、関税問題が潜んでいることは間違いありません。
おそらく、問題の解決には、かなりの時間を要するのではないかという印象を、現在は受けています。
今、金融市場にダイレクトに影響があるとは思えないものの、将来への不安材料ではあるので、今後の展開を注目しておきたいと思います。
■ユーロがここから上昇していく可能性は低い!?
さて、最後にユーロと円です。
ユーロに関しては、ユーロ/米ドルが1.1500ドルを下に抜け、下げが加速するかと思ったところ、反転してしまい、逆に上へ向かっています。英ポンド/米ドルの上昇に、影響を受けた面もあるでしょう。
【参考記事】
●ベアトラップになったユーロ/米ドルは押し目買いへ! 悪材料織り込んだ英ポンドも買い(8月28日、バカラ村)
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 日足)
しかし、IMMにおける非商業ベースの米ドルに対するユーロのポジションは、ショートがそれほど積み上がっていません。
(詳しくはこちら → 経済指標/金利:シカゴIMM通貨先物ポジションの推移)
ポジション面から見て、ユーロ/米ドルが、これから上昇していく可能性は低いと考えています。
■米ドル/円はジリジリと113円へ
米ドル/円については相変わらず、相場がある程度、下押しすると、日本人投資家からの米ドル買い注文が出てきます。
これが、米ドル/円が底堅い1番大きな要因ではないかと推察されます。
【参考記事】
●トルコリラショックは今後期待できない!? 米ドルが下がれば買い拾う方針を継続!(8月24日、今井雅人)
上下動はあるとは思いますが、ジリジリと上昇し、113.00円程度まで達する可能性が十分あると考えています。
(出所:Bloomberg)
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