■幸か不幸か、トルコリラ相場は小休止
前回のコラムでお伝えしたトルコ情勢は、まだまだ流動的です。
8月21日(火)から24日(金)まで、トルコは「犠牲祭」の祝日で、市場が休場となっています。
【参考記事】
●トルコの危機脱出は付け焼き刃では無理!? 欧州通貨に対してドル高を予想する理由は?(8月16日、今井雅人)
●FX会社が警戒するトルコの「犠牲祭」とは? 日本発のトルコリラショック再開はある!?
そのため、幸か不幸か、否応なく市場は小休止を余儀なくされているといったところです。
トルコリラ/円も、一時15円台まで急落したものの、今週(8月20日~)に入ってからは、18円を挟んだ落ち着いた動きとなっています。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:トルコリラ/円 4時間足)
■もうトルコリラショックに期待しないほうが良い!?
トルコの金融当局は、国内銀行による海外銀行とのスワップ、スポット、フォワード取引を、銀行資本の25%以内に制限しました。
また、実際のレポ(資金供給)を、政策金利にあたる1週間物レポ金利の17.75%ではなく、それよりも高い金利である後期流動性金利などに近い金利で実施するといった「ステルス介入」を実施していますが、やはり、根本的な解決となる可能性は低いです。
【参考記事】
●トルコ中銀が150bpの裏口利上げを実施!? 犠牲祭で小動きも、トルコリラは底堅い!(8月22日、エミン・ユルマズ)
●利上げしたのにまた別の金利を利上げ!? 3種類?4種類? 複雑なトルコ政策金利を解説
そうは言っても、トルコリラの暴落を招いた日本のリアルマネーの投げ売りなども沈静化しており、市場に「どうしても売らなければならない」ようなポジションもあまり無い模様です。
そうであるならば、トルコリラの暴落といった「トルコリラショック」は、今後、あまり期待しないほうが良いのかもしれません。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:トルコリラ/円 日足)
■相変わらずお騒がせなトランプ大統領
ところで、今週(8月20日~)は、トランプ米大統領に週明けから振り回されることになりました。
20日(月)のNY市場で、「トランプ米大統領は週末の献金支援者との集いで、パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長を批判した」と報道されたほか、その後に行われた一部通信社とのインタビューで、FRBの利上げに対して「気に入らない」と発言。
パウエルFRB議長に対しても、「低金利政策をとっていない。私をもっと助けるべきだ」と、苦言を呈しました。
FRBの利上げを「気に入らない」として、パウエルFRB議長にも苦言を呈したトランプ大統領。相変わらず市場を振り回している… (C)Chip Somodevilla/Getty Images
また、翌日の21日(火)には、NY市場がクローズする間際になって、トランプ米大統領の元顧問弁護士であったマイケル・コーエン氏が、司法取引に応じて証言し、「ある候補者の指示で選挙法に違反した」ことを認めました。
これは、トランプ米大統領の不倫相手二人に対する口止め料の支払いを指しており、市場では海外勢を中心に、米ドル/円が売り仕掛けられたのは言うまでもありません。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 1時間足)
ただ、米ドル/円は21日(火)の早朝に…
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