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陳満咲杜の「マーケットをズバリ裏読み」

米ドル/円の押し目買いスタンスは不変!
ユーロ/米ドルは1.18ドル台後半にトライも!?

2018年09月14日(金)17:45公開 (2018年09月14日(金)17:45更新)
陳満咲杜

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■米ドル/円押し目買いスタンスは、リスクオンが前提条件に

 そして、米ドル/円の押し目買いのスタンスだが、その前提条件として、まず強調しておきたいのは、ほかでもない、米国株をバロメーターとすると、リスクオフの環境ではないということだ。

 周知のとおり、リスクオフになれば安全資産とされる円が大幅に買われてもおかしくないから、まず、この前提条件を確認しておかないといけない。

 新興国通貨や株の軒並み下落や、米中通商摩擦の懸念で、リスクオフ云々の論調も根強いが、的を射ていないだろう。

 繰り返し強調してきたように、米国株が崩れない限り、リスクオフはあり得ない。米利上げが確実視される中、ダウ輸送株指数が高値更新するなど、米国株の堅調さがむしろ目立ち、新興国リスクがあったからこそ、米国株に資金が集中したという感さえある。

 詰まるところ、トルコの利上げとか、米中交渉再開とか少し「好材料」が浮上すれば、株式市場がすぐそれに好感し反応する状況から考えて、目先、リスクオンの環境にあることは間違いない。日米通商摩擦の懸念もいずれ剥落していくと思う。

■ユーロ/円の値動きも、リスクオン環境を示している

 こういったロジックがわからなくても、単純にユーロ/円の状況を見ればわかる。

 要するに、ドルインデックスが調整していくから、ユーロは切り返しが継続される公算なのだが、その一方、もしもリスクオフの環境であれば円が買われるため、結局、ユーロ/円は上がれない、または下落していくと推測される。

 逆に言うと、ユーロ/円も切り返しの構造を示すなら、リスクオフ云々は余計だ。言い換えれば、市場の構造自体がリスクオン・オフを示すのだが、それにはユーロ/円のプライスアクションが大いに参考となり、事前に解読可能、ということだ。

 その解読の仕方は、9月12日(水)にレポートにまとめたので、開示しておきたい。本文は以下のとおり。

ユーロ/円 日足(9月12日作成・クリックで拡大)
ユーロ/円 日足(9月12日作成・クリックで拡大)

(出所:FXブロードネット

ユーロ/円は保ち合いしながら、やはりGMMAチャートにおける「鰯喰い」、即ち調整済のサインを点灯しているとみる。同見方、PA(プライスアクション)の視点でも検証され、また蓋然性が高まりつつある。

8月安値~8月高値までの「10連陽」は既述の通り、8月30日の大陰線をもって途中のスピード調整を始めたが、ジグザグ変動構造自体が示した構造にしても、全上昇幅に対する半分押しから見ても、同調整がすでに完成された見通し。

更に、一昨日の陽線は実質上の「強気リバーサル」のサインを点灯、昨日の続伸をもたらしたこともあって、一段と調整変動の完成を証左。昨日の高値、前記ジグザグ変動の切り返しに当たる5日高値に近く、同日高値129.98のブレイクがあれば、ブル基調も一段と強まる公算。

オシレーター系指標らの多くも基調の好転を支持、MACDのシグナルが鮮明化されていないものの、ゼロラインの上にキープ、8月安値を起点とした切り返しの継続を示唆。本日の値動きが限定的になる可能性(昨日陽線とインサイドを形成するといった局面が想定される)もあるが、早晩上放れの機運が高まるでしょう。ユーロ/円の堅調、リスクオンの環境の継続を示すから、マクロ的な視点において、やはり米株市場を中心としてブルラリーの継続を有力視。

■米ドル/円もユーロ/円も上放れを果たしたとみる

 この前提条件が確認されると、米ドル/円の押し目買いにも安心感が出る。米ドル/円については、昨日(9月13日)、配信したレポートをもって、プライスアクションの視点を説明したい。本文は以下のとおり。

米ドル/円 日足(9月13日作成・クリックで拡大)
米ドル/円 日足(9月13日作成・クリックで拡大)

 

(出所:FXブロードネット

ドル/円は保ち合いを続けている。日足では一目均衡表の「雲」ゾーンにて保ち合いの局面を長引いているが、9日安値からの切り返し、同ゾーンの下限を再確認、またGMMAチャートにおける「鰯喰い」のサインの形成に繋がり、やはりブレイク待ちしつつ、上放れの土台をできているとみる。

プライスアクションの視点では、7日の陽線引き、8月31日罫線が示した「スパイクロー」の意味合いを強化、またレンジの下限に対する一時の下放れ自体が「ダマシ」であったことを暗示していた。

同じ視点では、5日の高値もレンジの上限を一旦トライして失敗していたので、「フォールス・ブレイクアウト」に近いサインを点灯していたとみる。従って、ここから上放れの確認、5日高値111.76のブレイクを前提条件となり、またブレイクをもって上昇波への復帰を示唆しよう。

同見方、前記GMMAのサインとの整合性のほか、上のチャート上記しているように、「逆三尊型」の形成や上放れにも繋がるから、一段と上昇モメンタムの加速をもたらす公算。ブレイク待ちを。

 昨日(9月13日)、米ドル/円もユーロ/円も大きく続伸したので、ともに上放れを果たしたとみる。ゆえに、米ドル/円の押し目買いのスタンスは不変。また、これとリンクするように、煮詰まりつつある日経平均もそろそろ本格的な上放れを果たすだろう。円売り・日本株買いの戦略は不変

 市況はいかに。

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