■米ドル/円はトップアウトし、調整局面入り
米ドル/円は、前回のコラムでご紹介させていただいたように、114.55円でいったんトップアウトして調整局面入り。
【参考記事】
●114円台に乗せた米ドル/円だが120円到達には懸念あり! 英ポンド/円は下値警戒!?(10月4日、西原宏一)
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)
米国株、日経平均に先行して下げていた上海総合指数も急落しており、本稿執筆時点では3.3%安となっています。
(出所:Bloomberg)
上海総合指数の急落に呼応して、豪ドル/円の下値余地が拡大しており、75円がターゲットに。米ドル/円に加え、豪ドル/円を筆頭とるすクロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)の続落に警戒が必要です。
(出所:Bloomberg)
■EUサミットが近づくにつれて英ポンドは持ち直す
英国とEU(欧州連合)の離脱条件合意が、なかなかまとまらないため、週初こそ、英ポンド/円は147.35円まで下落したものの、来週(10月15日~)、18日(木)~19日(金)に開催されるEUサミットが近づいてくると、Brexit(英国のEU離脱)条件の合意に向けての公算が高まって、英ポンドは持ち直しています。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:英ポンド/円 4時間足)
EU首席交渉官「ブレグジット交渉、来週合意の目処付けたい」
10月10日、英国の欧州連合離脱交渉について、EUのバルニエ首席交渉官は、来週の首脳会議での合意が「手の届くところにある」と述べた。
出所:ロイター
個人的にはEUサミットまでの「バイ・ザ・ルーマー(ウワサで買う)」的な動きと認識していましたが、EUサミットに向けて、英国とEUの離脱条件合意が現実的になるとの見方も増えてきており、中期で英ポンドが急騰するという意見も増えてきました。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:英ポンド/円 週足)
英ポンドは歴史的な急騰も、EU離脱合意は近い―ジェン氏
英国は欧州連合(EU)離脱でEUと合意に近づいており、通貨ポンドは歴史的な急騰を演じる可能性がある―。ヘッジファンドを率いるスティーブン・ジェン氏がこのような見方を示した。
出所:Bloomberg
個人的には米国株、日本株のみならず、中国株に対して弱気であるため、EUサミットまでは豪ドルに対して英ポンドをロングにする、つまり、英ポンド/豪ドルを強気で見ています。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:英ポンド/豪ドル 4時間足)
米銀大手のモルガンスタンレーは、このところ一貫して英ポンドに対して強気であり、それは英ポンド/豪ドルに対しても同様で、ターゲットを1.9500豪ドル、ストップを1.7900豪ドルと推奨しているようです。
来週(10月15日~)のEUサミットに向け、反発に転じている英ポンド(特に、株安の環境下において、英ポンド/豪ドル)、そして、日経平均、上海総合指数の下落に呼応し、米ドル/円、豪ドル/円を筆頭としたクロス円の下落に注目です。
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