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西原宏一・叶内文子の「FX&株 今週の作戦会議」

米ドル/円は介入なら10円ほど急落の公算大だが、2026年は最終的に165円方向。ユーロ/米ドルは米連続利下げで1.25ドル、主役はクロス円でユーロ/円は200円超え想定

2025年12月22日(月)15:57公開 (2025年12月22日(月)15:57更新)
西原宏一&叶内文子

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米ドル/円は植田日銀総裁のコメントを受けた海外勢の円売りで157円台後半に。マーケットも介入を警戒

西原宏一(以下、トレーダー西原)叶内文子(以下、MC叶内) ​みなさん、こんにちは。

MC叶内 西原さん、今年も最後の作戦会議になりましたね。

トレーダー西原 あっという間に今月(12月)も終わりそうですね。年末も近いため、短期の話に加え、来年(2026年)の相場に関してもふれましょう。

 それでは叶内さん、まず先週(12月15日〜)の株の振り返りからお願いします。

MC叶内 米国株は小幅まちまちで終了しています。

 S&P500は前週間前比0.10%高。週半ばにかけて下げた分を取り戻し、2週ぶりの小反発となりました。半導体大手マイクロンの好決算が安心感につながり、ナスダック総合指数は+0.48%と反発。CPI(消費者物価指数)が予想外の低下となり、先々の利下げ期待につながったようでビックテックも買われました。オラクルの株価が落ち着きつつあるなか、サンタクロースラリーへの期待感があるようです。一方、NYダウは‐0.67%と反落です。

 日経平均は前週末比1329.34円安(-2.6%)の49507.21円で終了しました。4週ぶりの大幅反落です。週初から前々週末の米ブロードコムの株価急落を受けて、AI・半導体関連が売られたことが響きました。金曜日(12月19日)には日銀会合(日銀金融政策決定会合)で市場想定どおりに政策金利の0.25%引き上げが決定され、円安・株高となりましたが、引けにかけては伸び悩んで終えています。TOPIXも-1.17%安と2週ぶりの下落です。

 為替市場はいかがでしたか。

トレーダー西原 先週は、ECB(欧州中央銀行)やBOE(イングランド銀行[英国の中央銀行])といった中央銀行の金融政策決定会合も行われましたが、大きな動きはなし。

 そして日銀会合を迎えます。政策金利はコンセンサスどおり0.25%の利上げ。次は大注目の植田日銀総裁の会見。

 市場が利上げの連続性を見極める上で重要な手がかりとしていた中立金利ですが、総裁は中立金利の水準を「特定することは難しい」とコメント

 このコメントをきっかけに海外勢は円売りをしかけ、先週の米ドル/円は157円台後半で引けています。

米ドル/円 1時間足
米ドル/円 1時間足チャート

(出所:TradingView

 今週の注目は日銀の介入が入るかどうか?

 欧米勢の発想だと、もうクリスマス休暇に入っているトレーダーも多く、流動性が悪化している中、介入など入らないだろうと思いがちですが、昨年(2024年)の4月29日(月・祝)は、GW(ゴールデンウィーク)で東京市場が休場の薄いマーケットを狙いうちにして、当局が介入を実施したという記憶が新しいので、マーケットも警戒しています。

 振り返れば、昨年4月の相場も植田日銀総裁が円安容認ともとれる失言で急速な円安が進行し、当局が介入を決断した流れになっています。

 今回も総裁コメントをきっかけに円安になった相場を、当局が介入で止めるかに注目。

 片山さつき財務相は12月19日(金)夜、円安傾向に歯止めがかからない足元の為替動向について「この半日、数時間は一方的で急激な動きがあるので憂慮している」と円安をけん制しているため、今週急激に円安が進むようなら、介入が入る可能性は一段と高まると考えています。

 それでは叶内さん、今週の注目イベント、そして今回は年内最後ということで来年の株式市場の展望をお願いします。

米ドル/円は介入で10円ほど急落の公算大だが、来年は最終的に165円方向へ。ユーロ/米ドルは1.25ドル、ユーロ/円は200円超え想定

MC叶内 今週、海外はクリスマス休暇入りで閑散相場となりそうです。

 中央銀行イベントや重要指標の発表も通過し、機関投資家などはおやすみでしょう。例年は小型株中心の商いになりますが、今年はどうでしょうか。国内節税対策売りはある程度出たようです。12月物の配当狙いの買いがあるかもしれません。

 日銀通過後の金利上昇は気になります。12月25日(木)に2年債の入札があります。米国でも今週、2年、5年の入札があります。

 経済指標は、国内では12月24日(水)に10月29日(水)~30日(木)開催の日銀会合議事要旨、11月企業向けサービス価格指数、12月25日(木)に11月全国百貨店売上高、12月26日(金)に11月失業率・有効求人倍率、12月東京都区部CPI、11月鉱工業生産などが発表されます。

 米国では、12月23日(火)に7~9月期GDP(速報値)、10月耐久財受注、11月鉱工業生産・設備稼働率、12月コンファレンスボード消費者信頼感指数、12月24日(水)に新規失業保険申請件数などが出てきます。12月25日(木)がクリスマスで休場、欧州は12月26日(金)もボクシングデーで休場です。

 ここからが2026年の展望となります。

 野村証券は11月にやや引き上げた見通しで、2026年末のTOPIXを3600、日経平均を5万5000円としています。内外景気が緩やかに拡大するなか、値上げと発行株式数の減少を背景としたEPS拡大が、TOPIXの上昇基調を支えるとみています。

 ある外資系では、年初慎重も2026年末のTOPIXは3500、日経平均は5万4000円。世界経済の堅調さに加え、日本の構造変化が前進することを理由にあげています。

 アンケートなどによると、高値の平均は5万5000円程度で、中堅証券では6万円の声もありました。予想レンジは広めで、安値は4万5000円前後です。

日経平均 月足
日経平均 月足チャート

(出所:TradingView

 米国株は、金融政策への期待と企業収益の成長が引き続き株価を押し上げるとの見方が多く、2026年末のS&P500をシティグループとUBSが7700ポイント(ロイター)、モルガン・スタンレーが7800程度とみています。リスク要因としては、AIバブル懸念や政治の不確実性が挙げられています。

 為替はいかがですか?

トレーダー西原 2026年の展望が大手金融機関からいろいろと発表されています。

 例えば、ゴールドマン・サックスは「2026年の基本シナリオは、米景気は底堅いが、米ドルはじわっと弱くなりやすい」といったところ。

 一方、JPモルガンは「米国株が高値圏内で推移しているにもかかわらず、FRB(米連邦準備制度理事会)の連続利下げが行われることが予想されているので、リスク再起動で基本リスクオンの推移になるだろう」という見方です。

 おおむね、AI関連相場は暴落することはなく、じわじわと値をあげリスクオン相場継続という見方が多いでしょうか?

 結果、ユーロ/米ドルは重要なレジスタンスである1.2000ドルを超えて1.2500ドルに向けて上昇する可能性が高い

ユーロ/米ドル 月足
ユーロ/米ドル 月足チャート

(出所:TradingView

 今年同様、日米金利差が縮小しても円安トレンドは変わらないため、クロス円は続伸。来年のユーロ/円は200円超えを目指すと想定しています。

 難しいのが米ドル/円。円安基調なので、米ドル/円も年末は165円方向に向かうと考えていますが、問題は当局の米ドル売り介入。

 高市政権の責任ある積極財政の拡大は、円安という副作用を引き起こします。そして、160円を超える円安は輸入インフレをひき起こすという批判が高まることが想定されますが、これは物価高を抑制すると宣言しているサナエノミクスにとっては都合が悪い。

 そこで米ドル売り介入という手段が取られるのですが、ベッセント米財務長官は「日銀が金融正常化をすれば、自然と円高に」なるとコメントしているので、まず日銀の利上げが優先されます。

 そして、12月18日(木)に日銀は0.75%へと利上げをしましたが、円安が収まらず。結果として、当局による米ドル売り介入の可能性は極めて高まっているといえます。

大規模な米ドル売り介入が入れば、米ドル/円は10円程度急落する公算が高いため、2026年は再び介入に対してケアしなければいけないマーケットだと想定しています。

 個人的には今年同様、円安トレンドに沿ったポジションをとる予定ですが、介入の可能性が高まる局面では、介入が自分のトレードに効果的になるよう円ロングも加え、フレキシブルにリスクをとっていこうと考えています。

 当局の介入で米ドル/円、クロス円は急落する局面はあると思いますが、米ドル円も最終的には165円方向に向かうと考えています。

米ドル/円 月足
米ドル/円 月足チャート

(出所:TradingView

トレーダー西原MC叶内 皆様、本年も当コラムをご愛読していただき、大変ありがとうございました。それでは、来年も株と為替のトレードを楽しんでいきましょう!

 良い年をお迎えくださいませ。


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