■今年もシリア問題がトルコの大きな懸念材料に…
ロシアとトルコとイランの3カ国は、昨年(2018年)3月にカザフスタンのアスタナでシリアサミットを行い、シリア問題で連携することを決めましたが、その後、あまり進展が見られませんでした。

写真は2018年9月にイランの首都、テヘランで開催されたトルコ、ロシア、イランによる3カ国会談のもの。シリア問題については、2018年3月以降、あまり進展がないそうだ… (C)Anadolu Agency/Getty Images
3カ国は、来月(2月)もう一度サミットを行い、米軍が撤退したあとの情勢について協議を行う予定です。
シリア問題は、今年(2019年)もトルコにとって大きな地政学リスクとして残ることが確実で、トルコ経済にも影響を与え続けます。
■3月の地方選挙までトルコリラの堅調予想は変わらず
トルコリラの方ですが、対円では堅調に推移していて、21円手前まで接近する場面もありました。
足元で新興国通貨のインプライド・ボラティリティ(予想変動率)は下がっていて、トルコリラも半年ぶりの低水準です。
昨年(2018年)8月のトルコショックの時に45を超えていたトルコリラの3カ月インプライド・ボラティリティは、17まで低下しました。

(出所:Bloomberg)
この動きは、トルコリラを中心に新興国通貨に対するセンチメントの改善を表しています。
私は、以前から指摘するように、トルコリラは3月31日(日)に行われる地方選挙が終わるまで堅調に推移すると考えます。
【参考記事】
●トルコリラは、2019年3月まで堅調と予想。だけど…2つのリスク要因には警戒を!(2018年11月21日、エミン・ユルマズ)

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:トルコリラ/円 日足)
3カ月インプライド・ボラティリティの低下は、世界の投資家も私と同意見だということを示しています。
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