■ドルインデックスがここ1年ほどの最高値を更新
今週(4月22日~)に入ってから、全体的に米ドル高傾向となってきています。それは、ドルインデックスの動きを見てみると、よくわかります。

(出所:Bloomberg)
この1年間、ドルインデックスは上下動を繰り返しながらも、全体的には緩やかな上昇トレンドを形成してきています。そして、直近の2日間ほどで、この1年間の最高値を更新してきました。
この間、特に大きなニュースや材料があったわけではありません。また、ここ数日は、米国の長期金利(10年物国債利回り)は、低下傾向にあります。

(出所:Bloomberg)
どうして、こんな状況の中でも、米ドル高に向かったのでしょうか?
■米ドルが他の通貨よりもマシだから!?
それは、とても単純に言えば、「他の通貨よりマシ」ということに尽きると思います。
トランプ米大統領に対する評価は分かれるものの、景気に関して言えば、トランプ米大統領が推進してきた減税などの景気対策は、功を奏してきているのだと思います。
また、世界各国に貿易交渉を仕掛けてきましたが、メキシコ、カナダ、韓国、EU(欧州連合)と、なんやかんや言っても、それなりに交渉を勝ち取ってきました。
そして、現在は本命、中国との交渉を行っていますが、これも米国側の勝利で、決着を見そうな雰囲気になってきています。
こういうことが、米ドルに対する資金の流れを作っている面が、あるのではないかと思います。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 日足)
■中長期では米ドル高でも、短期的には息切れ!?
では、この流れは続くのでしょうか?
結論から言えば、中長期的な緩やかな米ドル高は、不測の事態が発生しない限り、続きそうだということです。
ただ、そうは言っても、積極的な米ドル買いで起きている現象というよりは、比較論で米ドルが買われているということだと思うので、上昇のスピードは、それほど速いものにはならないと思っています。
先ほどのドルインデックスに話を戻すと、確かに、中長期的には緩やかな米ドル高傾向にはなっていますが、局面、局面では、ジグザグ運動を繰り返しています。

(出所:Bloomberg)
米ドルの高値を上に抜けても、そのまま突き抜けていかず、またいったん下がってから上がるというパターンが続いています。
それを参考にすれば、短期的な動きとしては、今回も、米ドル高の動きは、割りと早く息切れしてしまうのではないかと考えています。
■投機筋のポジションも偏ってきている
それに加えて、直近のIMM(国際通貨先物市場)のポジション動向を見ても、投機筋のポジションは対円や対ユーロなどで、かなり米ドルロング(米ドルの買い越し)が積み上がってきています。

※CFTCのデータを基にザイFX!が作成

※CFTCのデータを基にザイFX!が作成
こういう状態のときは、一気に米ドル高の展開には、なかなかならないというのが、今までの経験則です。
【参考記事】
●10連休中に一時的な下げがあれば買い! 米ドル/円は2018年のような動きを想定(4月23日、バカラ村)
■安値を更新したユーロ/米ドルも戻る局面がありそう
ドルインデックスの動きとユーロ/米ドルの動きは、非常に連動しています。

(出所:Bloomberg)
※ドルインデックスとの連動性がわかりやすいよう、ユーロ/米ドルの縦軸を逆転させて表示
先ほどの前提に立つならば、ユーロ/米ドルも、安値を更新したものの、このまま下落していくのではなく、また戻る局面があるのではないかと考えています。

(出所:Bloomberg)
中長期的には米ドル高ですが、その中でジグザグ運動が起きるときは、米ドル買いを基本戦略としながらも、米ドル高局面ではいったん手仕舞いし、また米ドル買いのチャンスを狙うという、回転売買を心がけています。
【参考記事】
●米ドル/円は110~112円のレンジトレードで。リスクオフ回避でも楽観できない理由は?(4月11日、今井雅人)
米ドル/円は112円台、ユーロ/米ドルは1.11ドル台を、米ドルの高値圏と考えながら、ここまでは、それなりに上手くいっています。当面、この手法を続けていきたいと思います。

(出所:Bloomberg)

(出所:Bloomberg)
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