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緩和余地の少ない円が買われる展開継続!?
それでも米ドル/円が反発しやすいワケは?

2019年08月13日(火)12:40公開 (2019年08月13日(火)12:40更新)
バカラ村

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■主要国の緩和合戦が円高圧力に!

 先週、8月7日(水)に、RBNZ(ニュージーランド準備銀行[ニュージーランドの中央銀行])が0.5%の利下げを行いました。

 市場予想は0.25%の利下げだったこともあってサプライズとなり、NZドルは急落しました。

【参考記事】
NZ中銀が0.50%大幅利下げのサプライズ! ドル/円は中期的に100円への流れ変わらず(8月8日、西原宏一)

NZドル/米ドル 1時間足
NZドル/米ドル 1時間足チャート

(出所:TradingView

NZドル/円 1時間足
NZドル/円 1時間足チャート

(出所:TradingView

各国が緩和合戦となっていることもあって、相対的に緩和余地の少ない円が買われている展開が続いています。

【参考記事】
主要国の中銀が通貨安合戦へ!? FOMCの注目点と米ドル/円の今後の行方を予想!(7月30日、バカラ村)

世界の通貨VS円 4時間足
世界の通貨VS円 4時間足チャート

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨VS円 4時間足

■米ドル/円は105円付近でいったん反発したが…

 トランプ大統領は8月9日(金)に、「FRB(米連邦準備制度理事会)が1.00%利下げすることを期待」、「中国と合意する準備ができていない」と発言しました。9月に米中閣僚級協議が開催される予定ですが、これを中止する可能性も示唆したことで、リスク回避の推移となっています。

 この面からも、円が買われており、米ドル/円は105.05円まで下落しました。

米ドル/円 4時間足
米ドル/円 4時間足チャート

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 4時間足

 米ドル/円の105.00円には、買いオーダーやオプションなどもあって、いったんは反発していますが、トレンドが変わるような状況でもなく、上値の重い展開が続いています。

【参考記事】
米ドル/円は107円近辺へ反発すれば売り! 円安に戻っていく可能性は極めて低い!?(8月8日、今井雅人)

■合意なき離脱の可能性50%!? 中国人民元安も継続へ

 英ポンドは、合意なき離脱の可能性が高まってきています。ジョンソン氏が首相になる前までは、合意なき離脱の可能性を10~20%と予想している金融機関が多かったですが、今は50%としている金融機関もあり、10月末に向けて、英ポンドは軟調な展開が続きそうです。

英ポンド/米ドル 日足
英ポンド/米ドル 日足チャート

(出所:TradingView

 先週(8月5日~)の為替市場は、NZドルや豪ドルが売られ、そして英ポンドは軟調な展開となっており、反対に円は堅調で、スイスフランも堅調な推移となっています。

 米ドル/中国人民元も、米中の対立から11年ぶりに7元を突破し、堅調な推移が続いています。

米ドル/中国人民元 日足
米ドル/中国人民元 日足チャート

(出所:Bloomberg)

 投資家の買いというのもありますが、中国では不動産価格なども下がっており、資本流出もあるようです。米中の対立も長期化するため、米ドル/中国人民元の上昇(米ドル高・中国人民元安)は、まだ継続していくのではないかと考えています。

■豪ドルやNZドルは弱い展開が続きそう

 中国人民元と相関性が高いものとしては、豪ドルやNZドル、そしてゴールド(金)などになります。

 そのため、豪ドルやNZドルは、まだ弱い展開が続くと考えています。

豪ドル/米ドル 日足
豪ドル/米ドル 日足チャート

(出所:TradingView

NZドル/米ドル 日足
NZドル/米ドル 日足チャート

(出所:TradingView

 RBA(オーストラリア準備銀行[豪州の中央銀行])やRBNZも、まだ利下げを示唆していることから、その点からも弱くなる可能性があります。

■米ドル/円の104円台から下は買っても良さそう

 英ポンドは、IMM(国際通貨先物市場)における米ドルに対する投機筋のポジションが、10万枚の売り越しに偏ってきています。

IMM(国際通貨先物市場)のポジション状況(英ポンド/米ドル)8月6日時点
IMM(国際通貨先物市場)のポジション状況(英ポンド/米ドル)8月6日時点

※CFTCのデータをもとにザイFX!が作成

 偏りが大きくなってきていますが、過去の水準からは、まだ売り越しが増える余地はあるため、英ポンドも、まだ軟調な展開が続くのではないかと考えています。

【参考記事】
IMMの危険水準は円10万枚、ユーロ15万枚、英ポンド10万枚だが、さらに確認すべきは?

 円は緩和余地が少ないことや、リスク回避という面もあって、まだ強くなる可能性があるものの、米ドル/円は105円から下は機関投資家が買いを考えているようで、一気に下がるような状況でもないと考えています。

104円台から下は、買っても良い水準ではないかと考えています。

【参考記事】
目先の米ドル/円はまだ戻り売り。でも、104円台以下は長期的な買い場になるかも!?(8月6日、バカラ村)
お盆の円高リスク警戒! 日経平均2万円、米ドル/円105円が防衛ラインになるか…!?(8月12日、西原宏一&大橋ひろこ)

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足チャート

(出所:TradingView

■投機筋のポジションからも米ドル/円は反発しやすい!?

 トランプ大統領が期待する「FRBの1.00%利下げ」がもし現実となれば、米ドル/円も下がってしまいますが、IMMにおける投機筋の米ドルに対する円のポジションが売りに偏っていないこともあって、下がるにしても反発を入れながら下がると思います。

IMM(国際通貨先物市場)のポジション状況(米ドル/円)8月6日時点
IMM(国際通貨先物市場)のポジション状況(米ドル/円)8月6日時点

※CFTCのデータをもとにザイFX!が作成

 利下げによって株式市場は上昇するため、その点からも、米ドル/円は反発が入りやすいのではないかと考えています。

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