■「逃亡犯条例改正案」の正式撤回が株高、円安を演出
次に、香港の行政長官が、中国への強制送還が盛り込まれていることで混乱の元となっていた「逃亡犯条例改正案」を、正式に撤回すると発表しました。
これもリスクオンの動きを誘発することとなり、株高、円安が進行しました。
【参考記事】
●香港デモは逃亡犯条例案撤回で一時収束! 今、ユーロ/米ドルに注目するワケとは?(9月5日、西原宏一)
さらに、中国政府が10月初旬にワシントンで米中閣僚級貿易交渉を再開すると発表したことが市場の安心感を呼び、さらなる株高、円安を演出することになりました。
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■円ロングが溜まっていたところにリスクオン材料が続いた
正直言って、ここまで激しい動きになるとは、まったく予想をしていませんでした。
ブレグジットに関しては、確かに10月末の合意なき離脱の可能性が極めて低くなったということで、買い戻されるのはある意味、当たり前のことだとは思います。
しかし、ここまでの動きとなったのは、結局、その前に下に突っ込んでしまって、マーケットがかなりショートになってしまっていたということでしょう。
香港の話も、元々混乱を受けて株が売られていたという様子は今までなかったのに、逆には反応するのは少し違和感を覚えます。
また、中国が10月から貿易交渉を再開すると言っていますが、これまで何度も交渉を開始しては、また不調に終わる、の繰り返しであったことを考えると、この程度の話にこれほどの反応をするのも不自然。
結局、こちらも円ロングポジションがかなり溜まっているところに、リスクオンになるような材料が立て続けに出てきたことに反応したということだと思います。
■いずれまた英ポンドは売られてくる
英ポンドの売り材料は当面なくなったので、すぐに英ポンドが反落するのは難しくなってきました。
しかし、これほどの混乱を続ける国の通貨を買いたいと思うでしょうか? 私はいずれまた英ポンドは売られてくると思っています。
(出所:TradingView)
また、円相場に関しても、今回はポジション調整に過ぎず、それが終われば、またジリジリと円高に戻ると考えていますが、ポジション調整の勢いが非常に強いので、どこまで続くのか見極めたいと思います。
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