■米ドル/円には下がるための燃料がない
気になる点としては季節性が挙げられ、10~12月の米ドル/円は、上昇しやすい時期となります。
昨年(2018年)に関しては下がっており、一昨年(2017年)は横ばいでしたが、それより前は上昇している年が多くあります。

(出所:TradingView)
昨年(2018年)と一昨年(2017年)は、IMM(国際通貨先物市場)における投機筋の米ドルに対する円のポジションが、10万枚ほどの円売り越しに偏っていたこともあって、米ドル/円が下がりやすい状態にあり、そこに年末のポジション調整も重なって、軟調な展開となりました。
しかし、今のIMMにおける投機筋の米ドルに対するポジションは、円買い越しになっていることもあって、米ドル/円が下がるための燃料がない状態になります。

※CFTCのデータをもとにザイFX!が作成
■英国発の金融ショックが起こる可能性は?
ただ、10月末にはブレグジット(英国のEU離脱)の期限が来るため、ここで合意なき離脱となるようなことになれば、金融ショックが起き、米ドル/円も急落することになります。
可能性としては低いと考えていますが、もし、合意なき離脱となった場合、英国の企業もまだ、準備が整っていないところが多数あり、物流が滞って金融ショックへつながる可能性は、十分にあるかと考えています。
【参考記事】
●ユーロ/米ドルにテクニカル的な下落余地。10月の英ポンドは乱高下しやすい!?(10月1日、バカラ村)
●10月は重要イベントが目白押し! 米ドル/円の108円台超えは考えにくい(10月3日、今井雅人)
●混迷のブレグジット…。短期再開となった英議会でボリス首相が喫した6連敗とは?(9月12日、松崎美子)
●英ポンドは買いか? 売りか? 「合意なき離脱」の可能性は本当にない!?(9月13日、松崎美子)
■豪ドル/円や加ドル/円の売りを検討
今週(10月7日~)に関しては、10日(木)~11日(金)に米中閣僚級協議が開催されます。
ここで一部でも合意するようなことになれば、リスク選好の動きになると思います。ただ、まだ合意するには難しいと考えています。
そうなると、米ドル/円を戻り売りすることになりますが、米長期金利が一時、1.50%台まで低下していることもあって、ここからの低下はあまり期待できないため、米ドル/円よりもクロス円での売りで考えています。

(出所:Bloomberg)
豪ドル/円や加ドル/円などが上がれば、売ってみることを考えています。

(出所:TradingView)

(出所:TradingView)
【注目情報】
【ザイFX!編集部からのお知らせ】
ロビンスカップ・ジャパンFX2017(Robbins World Trading Championship)優勝で高い実力を見せつけたカリスマ個人トレーダー・バカラ村氏。彼の相場予測&トレードが毎日配信される、有料メルマガ「バカラ村のFXトレード日報!(月額:5,060円(税込))」はザイFX!がお届けしている有料メルマガです。
「バカラ村のFXトレード日報!」では個人トレーダー目線で初心者にもわかりやすいタイムリーな為替予想をはじめ、実践的な売買アドバイスや相場分析などを、メルマガでご覧いただけます。
「バカラ村のFXトレード日報!」は、登録後10日間は無料解約可能なので、ぜひ一度体験していただき、みなさんのトレードの参考にしてみてください。
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)