■ドクターコッパー上昇で、将来的にはリスクオン
そして、コモディティ(商品)の中での注目は、ドクターコッパー!
景気の行方を占うもの、つまり「炭鉱のカナリア」としてはバルチック海運指数(BDI)や、本コラムでもよく取り上げる逆イールドが有名です。
【参考記事】
●米国債に逆イールド発生で米景気後退か? NYダウは800ドル安! 米ドル/円は…!?(2019年8月15日、西原宏一)
●米国債の逆イールドはリセッションを警告! 米ドル/円は中期的に100円目指す展開も(2019年5月30日、西原宏一)
コモディティで有名なのが、銅価格! 銅価格は、経済の先行きを示してくれるバロメーターとされています。
その別名が、「ドクターコッパー」!
以下の日足チャートは、LME(ロンドン金属取引所)の銅価格と豪ドル/米ドルの相関を示したものになります。
(出所:Bloomberg)
LME銅先物は、3月19日(木)にボトムアウトしていますが、豪ドル/米ドルが安値である0.5510ドルに到達したのも3月19日(木)です。
そして、LME銅先物も豪ドル/米ドルも、そこから大きな押し目もなく、続伸しています。
LME銅先物が炭鉱のカナリアであるとすれば、この上昇は将来的なリスクオンを意味します。
■豪ドル/米ドルは0.7000ドルへ続伸する可能性高い
そして、通貨の「炭鉱のカナリア」として筆者が使っているのが、過去1カ月半にわたり、本コラムのテーマである「豪ドル/米ドル」。
【参考記事】
●極端な米ドル不足は徐々に改善傾向!豪ドル/米ドルは底入れ後、上値余地拡大(4月2日、西原宏一)
●「株安・米ドル高」の流れは早晩反転か? 豪ドルは悪材料出尽くしで中期的に反発へ(3月26日、西原宏一)
こちらも、3月19日(木)(=RBA(オーストラリア準備銀行[豪州の中央銀行])が利下げをした日)から急騰しており、本稿執筆時点では一時0.6560まで反発。
およそ1カ月強で1000pips以上、米ドル/円でいえば10円急騰したことになります。
(出所:IG証券)
豪ドル/円も、70円回復目前の69.95円まで反発。
(出所:IG証券)
ユーロ/豪ドルに至っては、3月19日(木)高値の1.9802豪ドルから1.6552豪ドルまで3250pipsも暴落しています。
(出所:IG証券)
このように、豪ドル/米ドルは反発が急激であるため、調整局面はあるのでしょうが、株やLME銅先物がポストコロナに向けて前進している環境において、下落は限定的。
豪ドル/米ドルは、0.7000ドルへと続伸する可能性が高いと考えています。
(出所:IG証券)
株やLME銅先物がポストコロナへ向けてさらに前進する中、0.7000ドルへと反撃が続く豪ドル/米ドルの行方に、引き続き注目です。
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