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今井雅人の「どうする? どうなる? 日本経済、世界経済」

雇用統計後のドル/円、クロス円の下落は
過剰反応の反動。買いへ転じるチャンス待ち

2020年06月11日(木)14:00公開 (2020年06月11日(木)14:00更新)
今井雅人

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■米雇用統計で相場がピークアウトの予感

前回のコラムにおいて、「今後もコロナバブルが続くとは思うが、今の相場はちょっと強気になりすぎではないのか」と、お伝えしました。

【参考記事】
コロナバブルが当面、弾けない理由とは? ドル/円・クロス円は反動狙ってエントリー(6月4日、今井雅人)

 その後、6月5日(金)に、米国の雇用統計(5月分)が発表されました。事前予想では、失業率は20%程度になるのではないかと言われていましたが、実際は13.3%という、予想を遥かに上回る良い結果となりました。

米失業率の推移
米失業率の推移

(詳しくはこちら → 経済指標/金利:米国主要経済指標の推移

 これを受けて、金融市場では、さらに株高、そして円安が進みました。

 しかし、相場とは不思議なもので、相場がどちらかに一方的に動いているときに、それをさらに加速するような材料が出てくると、そこで相場がピークアウト、つまり、終わりとなってしまうことがよくあります。

米雇用統計後の相場の動きを見て、これもひょっとしたら、そのパターンかもしれないなと感じました。

■推測は現実に。やはり、相場の動きにはパターンがある

 さて、その推測は、現実のものとなりました

 週が明けて、6月8日(月)からは、これまで上昇を続けてきた株価の頭が重くなり、今週(6月8日~)だけを見ると、日経平均は若干、下落しています。

日経平均 日足
日経平均 日足チャート

(出所:Trading View

 それより顕著な動きを見せているのが、為替相場です。

 米雇用統計で110.00円近くまで上昇した米ドル/円でしたが、110.00円を超えるのが難しいと感じると、それまで米ドル/円を買い上げていた短期投機筋が、一斉に売り出しました。

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足チャート

(出所:Trading View

 それと同時に、ユーロ/円、英ポンド/円、豪ドル/円も、6月5日(金)をピークに下落に転じています。

世界の通貨VS円 4時間足
世界の通貨VS円 4時間足チャート

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨VS円 4時間

 改めて、歴史は繰り返すというか、相場の動きにはある程度のパターンがあると感じたところです。

■リスクオンで円安になるという考えは短絡的

 そこで、今後の動きについて考えてみたいと思います。

 まず、私が一番考えていることは、「株高→円安」という動きに、少し単純に反応しすぎたのではないかという点です。

 以前のコラムでもお話したとおり、「株高→円安」というかつての相関関係が、市場に戻ってきていました。

【参考記事】
日経平均の上昇は、そろそろ9合目! 「株高・円安」の相関は戻りつつあるか(5月28日、今井雅人)
コロナバブルが当面、弾けない理由とは? ドル/円・クロス円は反動狙ってエントリー(6月4日、今井雅人)

 しかし、円だけでなく、どこの国も金利がゼロに近く、さらには、各国とも大規模な量的緩和を行っているのですから、リスクオンになったから円安になるというのは、ちょっと短絡的すぎます。

 株式市場の方は、じゃぶじゃぶの資金が株式市場に流れ込んでいることを考えれば、今後も、大きく崩れる可能性は低いです。

 しかし、円相場の場合は別です。イメージで、短期筋が円売りをしてきただけのことではなかったのかと考えています。

■ロングに転じていくチャンスを狙う局面に

 そう仮定すると、現在は、その過剰反応に対する反動が出ているということでしょう。

 チャートを見ても、ユーロ/円、英ポンド/円、豪ドル/円などが、かなり急激なスピードで上昇してきたのがわかります。その反動だとすれば、もう少し下げる可能性があるとは思います。

ユーロ/円 日足
ユーロ/円 日足チャート

(出所:Trading View

英ポンド/円 日足
英ポンド/円 日足チャート

(出所:Trading View

豪ドル/円 日足
豪ドル/円 日足チャート

(出所:Trading View

 それを念頭に、今週(6月8日~)に入って、クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)をショート(=売り)にしてきましたが、ここからは、買い戻しながら、さらにロング(=買い)に転じていくチャンスを狙う局面だと思います。

 現在の市場は、ECB(欧州中央銀行)が金融緩和をするとユーロが上昇する一方で、FOMC(米連邦公開市場委員会)が金融緩和をすると米ドル安になるという、よく理解できない反応をしています。

 そこがわかりにくいところですが、結局、そういう動きは修正されるということです。その局面を、うまくとらえていくことが大事です。

【参考記事】
5~6月が景気後退局面の底か。リスク選好は続き、豪ドルが調整すれば買い場に(6月9日、バカラ村)


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