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田向宏行
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陳満咲杜の「マーケットをズバリ裏読み」

米国のコロナ禍拡大は短期的には米国株を
支え、米ドル全体を下落させる材料に!?

2020年07月10日(金)17:42公開 (2020年07月10日(金)17:42更新)
陳満咲杜

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■コロナ禍を解決しない限り、米景気は再び悪化

 反面、ナスダックが史上最高値をたびたび更新してきたことに照らして考えると、前述の効果が効いているとはいえ、やはりかなり消化済みで、これからは効果の逓減が見られるはずだ。

 文字どおり前代未聞の緩和政策や史上最大規模の公的支援があったといっても、コロナ禍という根本的な問題が解決されない限り、いったん回復する傾向を見せた米景気が再び悪化していくのも自明の理だ。

 現時点で、米国株はそのようなリスクをまったくと言っていいほど織り込んでいないというか、無視しているから、その分、早晩調整幅を拡大していくと思われる。

■米ドル/円も米ドル全体の切り返しに寄与していく

 一方、筆者が繰り返し指摘してきたように、「リスクオフの円高」はもう過去の話となった。3月高値以降、米ドル/円においては、米ドル全体ほどの米ドル安の進行は見られなかった

【参考記事】
「リスクオフの円高」は過去の話と再度証明。「リスクオフの米ドル高」を米ドル/円でも確認(2020年6月26日、陳満咲杜)

ドルインデックスVS米ドル/円 日足
ドルインデックスVS米ドル/円 日足チャート

(出所:TradingView

 換言すれば、仮にこれから米国株の調整があれば、米ドル全体が3月の値動きのように「リスクオフの米ドル高」で切り返しを果たしたとしても、「リスクオフの円高」にはなりにくいため、米ドル/円もリンクして反騰しやすく、結果的にこれが米ドル全体の切り返しにも寄与していくことだろう。

■日本の景気後退が米国より深刻であることも無視できない

 その上、コロナ禍がもたらした日本の景気後退が、米国より深刻な側面も無視できない。

 基軸通貨を発行する米国は天文学的数字のお札を刷っても、その地位を利用して結果的に大半の「つけ」を諸外国に背負わせるのに対して、その特権をもたない日銀の緩和政策の「つけ」は、最後は日本人のみが背負うしかない。

 今の情勢のままでは、来年(2021年)に延期されたオリンピック開催も危うくなり、また、抜本的な対応策を取れない限り、2024年になってさえ、コロナ以前の景気まで回復しない可能性も念頭におきたい。円は「普通の通貨」に「生まれ変わった」分、「リスクオフの円高」どころか、「リスクオフの円安」も十分想定されやすいかと思う。

■米ドル/円よりも主要クロス円の方が上値余地があるだろう

 そうなると、短期スパンにおいて、米ドル全体の反落がなお続くのであれば、米ドル/円の下方硬直性(反落するにしても米ドル全体の反落に比例するほどではない)から考えて、主要クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)の方がなお上値余地を拡大できるだろう。

世界の通貨 VS 円 日足
世界の通貨 VS 円 日足チャート

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨VS円 日足

 昨日(7月9日)、トランプ氏の納税記録公開に関する判決で米ドル全体が切り返してきたが、目先の米ドル安の流れを修正できたと言えるほどの値動きではなく、主要クロス円の上値指向は目先なお維持されるだろう。

 中期スパンでは、米ドル全体が早晩底打ち、また、切り返してくるなら、主要クロス円の強変動が終焉してしまう、といった予測も出やすいが、実際は異なるのではないかと思う。

 そのカギを握るのはやはり米ドル/円だ。

 結論から申し上げると、米ドル全体が反落する時期において、米ドル/円は比例した反落幅を見せなかった分、米ドル全体が底打ち、また切り返ししてくれば、米ドル/円がリードして米ドル全体を押し上げる可能性があるから、短期スパンにおける波乱や反落幅の拡大があっても、主要クロス円におけるメイン構造は変わらないと思う。

 たびたび強調してきたように、ユーロ/円における5月の底打ちが重要なサインであったから、これから「リスクオフの円安」がテーマになる可能性さえある

【参考記事】
「リスクオフの円安」を警戒! 円は「翻弄される通貨」から「普通の通貨」へ(2020年5月22日、陳満咲杜)
典型的なリスクオン相場で円安はまだまだこれから。米ドル/円は120円をめざす!?(2020年6月5日、陳満咲杜)
「リスクオフの円高」は過去の話と再度証明。「リスクオフの米ドル高」を米ドル/円でも確認(2020年6月26日、陳満咲杜)

 市況をていねいにフォローしながら、また、たくさん検証していきたい。市況はいかに。

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