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田向宏行
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陳満咲杜の「マーケットをズバリ裏読み」

「リスクオフの円高」は過去の話と再度証明。
「リスクオフの米ドル高」を米ドル/円でも確認

2020年06月26日(金)18:23公開 (2020年06月26日(金)18:23更新)
陳満咲杜

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■米ドル/円でも「リスクオフの米ドル高」に

 しかし、一般論として、このような観測はあくまで「憶測」であったことを認識すべきで、ソフトバンクさんの米ドル売りよりも、それを材料として利用して投機筋が仕掛けたという方が、真実に近いと思われる。ストップがいっぱい刈られたのだろうか、同日(6月23日)東京時間の夜11時前後にかけて、106円の節目割れ寸前まで急落した。

 その後急転し、昨日(6月25日)、一時107.46円を打診した。その背景としては、米株安の要因が最も重要。前述のように、「リスクオフの米ドル高」は米ドル/円でもしっかり確認された。そして、「リスクオフの円高」はもう過去の話と再度証明してくれた好例だとみる。

【参考記事】
株式市場崩壊、恐怖の米ドル買いが進行! 「リスクオフの円高」ロジックは崩れた!?(陳満咲杜、2020年3月13日)
「リスクオフの円高」にとらわれているとなぜこれからの相場は見極められないのか?(陳満咲杜、2020年4月24日)

 米ドル/円とドルインデックスの値動きを比較すればわかるように、ナバロ氏の発言があった直後はいったん相反したものの、その後はほぼ連動しており、円は「普通の通貨」になった、すなわち「リスクオフの円高」が観察されなかったことが再確認されている。

米ドル円VSドルインデックス 1時間足
米ドル円VSドルインデックス 1時間足チャート

(出所:TradingView

 となると、前述の「ソフトバンク絡み」の急落も大袈裟に解釈された部分があったのではないかと推測される。結局のところ、米ドル全体との連動が強まっていることに尽きる

■ドルインデックスは再度6月安値をトライする可能性も?

 一方、ドルインデックスはというと、6月22日(月)~23日(火)に反落し、その後切り返し、目先保ち合いを維持しているから、レンジ変動の様相が強まっている

ドルインデックス 日足
 ドルインデックス 日足チャート

(出所:TradingView

 5月後半から急落してきた分、安値圏での保ち合いがあった方が底打ちに寄与する側面も大きいが、早期に6月22日(月)の高値を上放れできないと、次第に頭が重くなり、下値リスクを拡大させる可能性も大きい。

 要するに、3月高値を起点とした米ドル全体の大型反落が一段と延長される可能性もある。6月23日(火)安値を割り込めば、再度6月安値をトライしてもおかしくなかろう。

■米ドル/円チャートには底固めのパターンが見られる

 米ドル/円と米ドル全体の連動性は既述のとおりであり、連動していけば、米ドル/円も5月安値を割り込むことが推測されるが、最近の値動きに照らして考えると、106円の節目前後におけるサポートゾーンが再確認され、下値割れのリスクは低下しているようにみえる。

 プライスアクションの視点では、6月23日(火)の大陰線を中心に、前のローソク足に対して「アウトサイド」のサインを点灯、その後のローソク足に対して「インサイド」を形成し、昨日(6月25日)、下放れではなく、いったん上放れを果たしたから、底固めのパターンとして重視しておきたい。

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足チャート

(出所:TradingView

 こうなると、目先はまだら模様だが、仮にドルインデックスが切り返しを継続する場合は、米ドル/円も連動して切り返しを強め、逆にドルインデックスが続落する場合は米ドル/円の安値が維持される可能性を無視できないから、結局、クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)の再上昇が見込めるのではないかと推測される。

■クロス円の状況から今後の市況を予測してみると…

 逆説的になるが、クロス円の状況をもう1回確認しておくと、これからの市況のヒントが得られるかもしれない。

 主要クロス円のうち、豪ドル/円の切り返しがもっとも鮮明だったので、豪ドル/円を例として見てもよいが、インターバンクにおいて直接取引できるのはやはりユーロ/円なので、ユーロ/円を見るのが適切だと思う。

 以前本コラムで強調したように、ユーロ/円は5月にて底打ちし、そのサインは本物である可能性が高い。

【参考記事】
典型的なリスクオン相場で円安はまだまだこれから。米ドル/円は120円をめざす!?(2020年6月5日、陳満咲杜)

ユーロ/円 日足
ユーロ/円 日足チャート

(出所:TradingView

 したがって、6月に入ってからの調整は、あくまでスピード調整の一環と見なされ、5月安値を起点とした切り返しの半分押しや200日移動平均線を再度確認したところで調整自体も目標達成感が強く、6月22日(月)の「強気リバーサル」のサインをもってすでにブル(上昇)基調に復帰したかと思われる。

 こうなると、主要クロス円の上昇は米ドル/円の急伸か、米ドル全体の再反落を意味する。目先、米ドル/円の急伸は想定しにくいから、緩やかな全体的な米ドル安がもう少し続くのではないかと思う。

 この部分は前回の見方と違っていたので、参照してもらいたい。

【参考記事】
猫も杓子もコロナバブルと言い出したから逆に警戒!? 米ドル売りからは距離を置くべき(2020年6月19日、陳満咲杜)

 検証はまた次回、市況はいかに。

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