■米ヘッジファンドの巨額損切りで大手金融機関が損失
米国のヘッジファンド、アルケゴス・キャピタル・マネジメントがマージンコールを起こし、それにより大手金融機関が損失を被ったと報じられています。
ポジションとしては中国株をロング、S&P500をショートにしていたようで、その反対売買が出ているようですが、現在は落ち着いた状態となっています。
【参考記事】
●米ドル/円の押し目買いを継続!株が落ちても円が買われない傾向が鮮明に(3月29日、西原宏一&大橋ひろこ)
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■バイデン大統領のインフラ投資計画発表で景気回復に期待
今週(3月29日~)は31日(水)に、バイデン米大統領がインフラ投資計画を発表する予定となっています。
1.9兆ドルの経済対策がすでに決定していますが、さらなる経済対策となることから、米国への景気回復期待が出ています。
【参考記事】
●バイデン大統領の1.9兆ドル経済対策成立。米国株の調整局面は豪ドル/円の買い場か(3月16日、バカラ村)
新型コロナウイルスのワクチン接種に関しても、バイデン大統領の就任100日までに2億回を目指しており、通常の経済活動に戻ることが期待できます。
新型コロナウイルスのワクチン接種に関して、バイデン大統領は就任100日までに2億回を目指している (C)Scott Olson/Getty Images News
それに対して、ユーロ圏や日本などは、まだ、新型コロナウイルスの感染が収まっておらず、ワクチンの普及も進んでいないことから、景気回復は時間がかかりそうです。
それが為替市場にも影響しており、米ドル/円は上昇し、ユーロ/米ドルは下がっています。
(出所:TradingView)
(出所:TradingView)
■市場参加者の本格的なポジション構築は4月入り以降か
今週(3月29日~)は、四半期末でもあります。
この1~3月に米国債は大きく下落(利回りは上昇)しました。
(出所:TradingView)
大きく動いたものほど、リバランスがでやすいこともあり、今週(3月29日~)はその動きにも注意かと思います。
普通に考えると、米国債が買われ、米長期金利が下がることになります。その影響で米ドル/円の上値も抑えられることになります。
ただ、すでにこの内容は報道されていることもあり、実際には実需のフローが出てみないことにはわからない部分もあるため、決め打ちするのもリスクがあることになります
また、今週(3月29日~)は金曜日から多くの国で連休になります。
そのため、今のタイミングで新しいポジションを作る参加者も少ないと思います。
4月になれば、新年度としてのポジションを構築してくる参加者もいますが、今週(3月29日~)に関しては、期末フローと連休前のポジション調整がメインの動きとなりそうです。そのため、今週(3月29日~)は様子見しているのがいいのではないかと思います。
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■日米金利差から、米ドル/円はボラティリティ高まる環境に
為替市場を動かす材料はいろいろありますが、金利差も材料のひとつになります。
この数年間は金利差がほとんどなく、各国が通貨安競争をしていたこともあって、為替市場のボラティリティは低下していました。
今年(2021年)に入ってからは米長期金利が1.0%を超えて上昇が続いており、それに伴って米ドル/円もボラティリティがある動きをしています。
(出所:TradingView)
FRB(米連邦準備制度理事会)は、2023年末まで低金利を続けることを示唆していますが、市場参加者は来年(2022年)には利上げがあるとの予想もあり、それに対して日銀は利上げの可能性がない状態です。
【参考記事】
●FOMC、日銀会合後の為替はどうなる? ユーロ/米ドルは戻り売りのレンジトレードで!(3月23日、バカラ村)
そのため、米ドル/円はボラティリティが以前よりは高まりやすい環境になってきています。
過去4年間の米ドル/円は非常に狭いレンジでの推移が続いていましたが、将来的にはボラティリティの高まりが期待できるのではないかと思います。
■ユーロ/米ドルは下値余地あり。1.16ドルターゲットを継続
以前のコラムで、ユーロ/米ドルは週足のMACDがダイバージェンスしているため、そのターゲットは1.16ドルと記載しましたが、その考えは今も継続しています。
【参考記事】
●上昇中の米長期金利はさらに上昇するのか? ユーロ/米ドル、MACDでダイバージェンス発生(3月9日、バカラ村)
(出所:TradingView)
日足では動きが鈍く、レンジを決めての戻り売りがいいと思いますが、週足ではまだ下値余地があると考えています。
ただ前述したとおり、今週(3月29日~)に関しては、期末フローと連休のポジション調整が主体の動きになるため、様子見でいいのではないかと思います。
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