米国の金融政策変更で、米ドル高となった1週間に
先週、9月24日(金)のコラムで、米国の金融政策変更で中期的な米ドル高相場へ向かうという見通しをお示ししました。
【参考記事】
●米ドル買い選好方針を継続! FOMCで決定された、非常に重要な内容とは?(9月24日、今井雅人)
その後の1週間は、まさにそのとおりの展開となっています。
(出所:TradingView)
今回は、FOMC(米連邦公開市場委員会)においての金融政策変更という非常にわかりやすい材料に、市場が素直に反応しているということです。
FX市場にトレンドができるとき、特に多いのは、金融政策などの金利に関することと、政治的なもの
FX市場にトレンドができるときは、さまざまなことが原因になることがありますが、自分のこれまでの経験で、特に多いのは、金融政策などの金利に関することと、政治的なものです。
政治的なものとは、たとえば、為替市場を各国間の貿易などの交渉材料とした場合や、自国として通貨をどちらかに誘導しようとしている場合などです。
もう1つの金利に関するものは、今回のケースのような場合です。
特に世界最大の経済大国であり、しかも、基軸通貨として採用されている、米国の通貨・米ドルに関しての金融政策の変更は、一番大きな影響力をもっていることは言うまでもありません。
さらに申し上げれば、昨年(2020年)から続く新型コロナウイルス感染拡大の影響により、世界的に過去に例を見ないような、財政出動と金融緩和を実施してきた中で、正常化に向けて、初めて動き始めたケースですので、そのインパクトはより大きいということではないでしょうか。
米ドル/円は、2017年から2018年にかけて2度ほど達した114円台半ばが1つの目標に
米ドル高の背景は、先週お話したとおりで、特段付け加える必要はありません。
【参考記事】
●米ドル買い選好方針を継続! FOMCで決定された、非常に重要な内容とは?(9月24日、今井雅人)
そこで、今回は、過去を振り返りながら、どのあたりまでの米ドル高を想定しておけばいいかを考えてみたいと思います。
まず、米ドル/円です。米ドル/円の週足を見ても、今年(2021年)の高値を上に抜けていることがわかります。
今週(9月27日~)、米ドル/円は112円台に一時達していますが、その水準がいつ以来かを見てみると、昨年の始めごろであることがわかります。
チャートを見ると、2020年前半は激しく乱高下しているのがわかると思いますが、これは、新型コロナウイルス感染拡大スタートの時期で、金融市場も大混乱に陥ったときです。
そのときの高値が2020年2月20日(木)の112.23円となっています。現在、その水準にまで来たことがわかります。
(出所:TradingView)
そのあたりはしばらく攻防が続くと思うのですが、そのレベルを上に抜けてくると、その後は2017年から2018年にかけての状況を見る限り、2度ほど114円台半ばまで達して山を作っていますので、この水準が1つの目標になってくるのではないでしょうか。
(出所:TradingView)
ユーロ/米ドルは、1.06ドル台まで下落する可能性も否定できない
次にユーロ/米ドルですが、こちらも週足を見ていただきたいと思います。
実は、ユーロ/米ドルのチャートのほうがおもしろいのですが、現在の水準は、2020年11月4日(水)につけた安値1.1603ドルを下に抜けていることがわかります。
(出所:TradingView)
では、その下のポイントはどこかと見ていくと、実は下から上がってきたときも目立ったチャートポイントもなく上昇してきていますので、上昇の起点であった1.06ドル台までのユーロ安・米ドル高が進む可能性も否定できないと考えられます。
(出所:TradingView)
もちろん、すんなりと急落していくとは思えませんが、ひょっとするとかなりの大相場になるかもしれないと少し期待しているところです。
いずれにしても、当面、米ドル高相場が継続するという前提で、米ドル買い中心のトレードを続けたいと思っています。
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