米国より日本の株式市場の下落幅が大きい要因は、岸田内閣の誕生以外に思い浮かばない
10月4日(月)に岸田文雄さんが第100代の内閣総理大臣に選ばれました。
その前後の株式市場の動きを見ると、日経平均は8日連続の下落という約12年ぶりの弱気相場となりました。
(出所:TradingView)
もちろん、中国の恒大集団のデフォルト騒ぎや、米国の債務問題などが世界的な株安を招いていることが、株式市場下落の主たる要因です。
【参考記事】
●クロス円に先導されるようにリスクオフ加速、中国は大型連休に入るがクロス円は売り目で(10月1日、持田有紀子)
●米ドル買い選好方針を継続! FOMCで決定された、非常に重要な内容とは?(9月24日、今井雅人)
しかし、米国と日本の株式市場の動きを比べてみると、日本の株式市場の下落幅のほうが大きいことがはっきり分かります。
(出所:TradingView)
これは、日本の株式市場に独自の要因が加わっていると考えざるを得ません。
この時期に日本であった大きな出来事といえば、岸田内閣の誕生以外に思い浮かびません。
株式市場が岸田内閣を評価しない理由は2つ。内閣支持率の低さと経済政策の不透明さ
では、何故これほどまでに株式市場は岸田内閣を評価しないのでしょうか?
それには2つの理由があると思います。1つ目は、内閣支持率の低さです。
10月5日(火)のメディア各社の世論調査を見てみると、内閣支持率は45%から56%となっています。
各社でばらつきはありますが、ここ20年の各内閣誕生時と比べてみると、最低か、2番目に低いという冴えない結果になっています。
これは、安倍支配から抜け出せないイメージや、無名ぞろいで実力が良く分からない内閣のメンバーへの不安などから出てきていると思います。
2つ目は、経済政策です。
岸田内閣はアベノミクスを修正して、成長と分配と言っています。この成長と分配が抽象的で具体的にはどういう政策になるのか分からず、不透明感を覚えているからではないでしょうか。
今後は、衆議院議員総選挙を経て、新しい政権の具体的な政策や、その実現可能性について冷静に判断していく時期に入っていくと思います。
リスクオフからの円高は一時的。米ドル/円は114円台を目指す動きになるのでは
こうした状況を受けて、FX市場ではリスクオフからの円高という現象が起きました。米ドル/円、クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)ともに円高が進んできました。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨VS円 1時間足)
しかし、これも、私は一時的な現象だと考えています。
特に米ドル/円は一時112円台をつけたことで、一時的に達成感が出てしまい、その後利食い売りを誘った面もありました。
しかし、FX市場全体を見ると、円高が進行している間も米ドル高は進んでいましたので、いずれ米ドル/円もそちらに引っ張られていくと思います。
112円台で何回か止められた後は、上に抜けて114円台を目指す動きになってくるのではないでしょうか。
(出所:TradingView)
米ドル買い選好のトレードを続けていく方針を維持
これまでのコラムでもご紹介してきましたが、前回のFOMC(米連邦公開市場委員会)で今後の金融政策変更の道筋が明確になって以来、米ドル高の流れは本格的にトレンドとなってきたと私は考えています。
【参考記事】
●ユーロ/米ドルに大相場の可能性! 目立ったチャートポイントのない空白地帯が続き、1.06ドル台までの大幅下落も!(10月1日、今井雅人)
●米ドル買い選好方針を継続! FOMCで決定された、非常に重要な内容とは?(9月24日、今井雅人)
途中、他の材料で右往左往することがあっても、結局は米ドル高に向かう相場になっていくだろうと予想しています。
これまでと同様、ユーロ/米ドル、英ポンド/米ドル、米ドル/円などの主要通貨ペアで、米ドル買い選好のトレードを続けていく方針を維持したいと思います。
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