菅総理退任報道で日本株上昇は短絡的だが、現実なので受け入れるしかない
今週(9月6日~)もよろしくお願いします。
菅総理が任期満了で辞任するという報道を受けてから、日本の株式市場が上昇しています。
(出所:TradingView)
たしかに、菅政権での新型コロナ対策は後手後手感が否めず、内閣支持率も低下していました。
しかし、それで菅総理が退任することを受けて、株式市場が急上昇するということが本当に不思議、というか短絡的だなと思って見ています。
次が誰になるかもわからないし、コロナ対策は誰がやっても本当に難しいことはわかっているはずなのに、金融市場というのは、本当に安易だなと思います。
しかし、それが現実なので、それを受け入れるしかありません。
やはり、根底には、金余りと米国の景気回復からの影響があるため、何か買い上げる材料をいつも待っているということだと思います。
次回のFOMCは9月21日、9月22日。大きな変化はないかもしれないが、注目度は高い
さて、米国の方に目を向けてみましょう。
ジャクソンホール会議でのパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長の講演を受けて、金融市場では、年内にはテーパリングが始まる可能性はあるものの、次回のFOMC(米連邦公開市場委員会)では、まだ決まらないだろうという見方が広がっています。
【参考記事】
●米ドル高になぜならない? 市場はパウエル議長に勝手に期待して、勝手にがっかりした。次の注目は米雇用統計に!(9月3日、今井雅人)
さらには、先週(8月30日~)発表された米雇用統計が、いまいちパッとしない結果となってしまったので、余計にすぐのテーパリングはなさそうだなというムードになっています。
ちなみに、次回のFOMCは9月21日(火)、9月22日(水)です。大きな変化はないかもしれませんが、注目度は高いので、頭に入れておいてください。
金融市場全体も気迷い相場だが、米国の経済は回復基調に入ってきていることが確認できる
そのような状況ですので、FX市場を含め金融市場全体も気迷い相場に入っています。
米国の長期金利(米10年債利回り)も、少し上昇傾向に向かうかもしれないというムードでしたが、米雇用統計の結果が芳しくなかったことに加え、米10年債や30年債の入札が好調だったことなどから、また低下してしまい、方向感がなくなってしまっています。
なかなかしっかりとした方向感がでてきません。
(出所:TradingView)
ただ、個人的には、最終的には米長期金利上昇、米ドル高に向かうという見方は変えていません。
【参考記事】
●米ドル買い戦略の継続に、益々自信を深めたワケは? 米ドル/円は緩やかに112円、ユーロ/米ドルは1.16ドルがターゲットに(8月19日、今井雅人)
●米ドル買い戦略を継続! FOMCメンバーは考え方をすり合わせ、強気方向に統一している(8月12日、今井雅人)
たとえばですが、今週発表された前週分のアメリカの新規失業保険申請件数ですが、31.0万件と予想の33.5万件より強い結果となりました。
この数字は昨年(2020年)の新型コロナウイルス感染拡大以降の最小を更新しています。
失業保険の申請件数が少ないということは、雇用が改善してきているということです。
もちろん、指標の1回だけの結果で、方向性が出てくるわけではありませんが、指標の中期的なトレンドを見ていると、米国の経済は回復基調に入ってきていることが確認できます。
もう少し時間が経てば、米長期金利上昇、米ドル高へ。それまで米ドル/円は109~111円のレンジトレードが効率的
デルタ株の猛威は収まっていませんが、ワクチン接種の普及を受けて、米国では経済を止めないという方向になっています。
もう少し時間が経てば、米国の景気回復期待からの米長期金利上昇、米ドル高がやってくると思っています。
それまでの間は、なかなか難しいですが、米ドル/円で109~111円のレンジを想定して、その中でのレンジトレードをやるのが、一番効率的ではないでしょうか。
(出所:TradingView)
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