パウエル議長の講演が行われた。内容は前回のFOMC後の会見で述べたものと同じであった。同じなのは当然で、公的な最大なイベントFOMC以上のものが民間主催の講演会で出てくるわけがない。
もうちょっとインフレ沈静化の確証が欲しいとしながらも、ターミナルレートは9月時予想よりももっと高いだろうとした。しかし12月の会合では利上げ幅の縮小もあり得ると指摘したことが、過大に評価された。
マーケットではすでに12月利上げは50ベーシスポイントであるとカ前に織り込んでいるのに、それが確認できたからといって、さらにドル金利の低下や大幅な株高をもたらしたというのは、行きすぎの感をいなめない。予想外ということではなかったからだ。それだけ市場の方が何か新規な材料を求めていたということなのだろう。
ドル円はパウエル議長の発言の前までは、140円台に乗せようかとの勢いだった。それが137円台のミドルまで後退。ここ最近のコアレンジを外していないものの、上に下にと激しい値動きの展開となった。ユーロドルもおおむねドルとしてはドル円と同じような動きで、ニューヨーククローズまでには1.04台に乗せてきた。
今日のアジア時間になって、ドル円はやや下抜け。137円台の前半まで攻め込んだ。パウエル議長の発言に乗っておけといった追随型のドル売りが加勢したものと思われる。しかし短期的にドルショートにするのはよいが、ドル相場の反転の兆しを見つけ出すためにはインフレ関係の材料が乏しすぎる。すくなくとも週末の雇用統計も見たいところである。
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