日銀の発表は米ドル/円の「行って来い相場を演出」
みなさん、こんにちは。
今週(1月15日~)最大の注目ともいえる日銀の金融政策決定会合が1月17日~18日に開催されました。
今回の会合では「長期金利変動幅の再拡大は行わず、大規模な国債買入という量による抑え込み策」を選択。
国内の報道で評価されたのが「共通担保資金供給オペ」です。
日銀は金融調節の円滑化を図るため、国債などを担保に金融機関に低利で資金を貸し出す「共通担保資金供給オペ」を拡充しました。
それを受けてイールドカーブ全体が大幅に低下しており、残存10年国債利回りは1月17日(火)の0.524%から0.41%へ大幅に低下。
米ドル/円も128円台から131.58円まで急騰しました。
この時点では、国内の多くのメディアが今回の政策は非常に効果があったと評価しています。
しかし、海外勢の評価は芳しくなく、10年国債利回りが安定しているにも関わらず、米ドル/円は131円台ミドルを高値に急反落。
欧米市場では、128.00円を割り込み、一時127.57円まで暴落しました。
(出所:TradingView)
今回の日銀の発表を受けた米ドル/円は、350pips程度急騰し、400pips暴落するという大きな値幅を伴っての「行って来い相場」を演出しただけになります。
今の米ドル/円は短期トレードに徹したほうがいい
一方、1月19日(木)の欧米の報道をチェックすると、あれだけ注目を集めていた日銀ですが、あまり取り上げられていませんでした。
米ドル/円が行って来い相場を演じているように、今回の日銀の発表は意見が割れているからなのか、あまり報道されていません。
ここで米ドル/円の動きを見てみると、年初の米ドル/円は131.01円で始まっており、本稿執筆時点では128.50円で推移。
(出所:TradingView)
ここだけを切り取ると大きな動きではないのですが、年初からの米ドル/円は節目の130.00円をはさんで、激しく上げ下げしているだけ。
こうした環境では、現状の米ドル/円はスウィングトレードではなく、短期トレードに徹したほうがいいマーケットだと思っています。
米ドル/円のスウィングトレードは次のトレンド待ちです。
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株高、米ドル安はいったんピークアウト
年初、堅調に推移していた米国株ですが18日は反落しました。
きっかけは、米小売売上高が1年ぶりに大幅減になったことに加え、マイクロソフトが全従業員の約5%に当たる1万人を削減する計画を明らかにしたことなど。
ただ、米国株を底固く推移させていた要因であった中国のリオープニングや欧州のガス価格の安定などの好材料をマーケットは十分織り込んだからではないかと想定しています。
株高による米ドル安もいったんピークアウト。
下図は1月17日(火)までの主要通貨の対米ドルの騰落率です。
中国のリオープニングとゴールド高を背景に、豪ドルが騰落率のトップに立っています。
しかし、昨日の米国株安と、ゴールドの反落で豪ドルも反落。
同じオセアニア通貨のニュージーランドドルも同様に値を下げています。
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ゴールドとオセアニア通貨は買い場探しへ
下はゴールドの日足チャートです。
(出所:TradingView)
中期的にゴールドと豪ドルに対する強気なスタンスは変わりませんが、昨年10月から上昇を続けてきたゴールドが2000ドルを手前に失速しています。
中国のリオープニングを織り込んで年初からトップを走ってきた豪ドルも調整へ。
(出所:TradingView)
年初からの米国株高、米ドル安はピークアウトし、ゴールドとオセアニア通貨は調整でいったん反落。
短期的には豪ドルやニュージーランドドル、そして対円での豪ドル/円やニュージーランドドル/円の調整に警戒が必要ですが、こうした調整局面で値を下げたところで、中期のゴールドや豪ドルの買い場を探したいところです。
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