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 ECBは25ベーシスの利上げを行った。これは予想通りなのだが、事前のマーケットでの織り込む具合は前日に至るまで五分五分だった。つまりどちらの結果に落ち着くか不明だったと言うことだ。しかし確かなことは、ECBの声明文では明らかに2025年までのインフレ率と成長率を引き下げているのである。

 景気鈍化は致し方ないとしても、インフレ率見通しまで引き下げているのには、ちょっと驚きだった。ラガルド総裁を始め、ECBの関係者は口をそろえて現状のインフレは辛抱できるレベルではなく、また当面はインフレが後退しそうにもない、と発言しているからだ。

 こうした意外にも思えるインフレ見通しのおかげで、ECBによる政策金利の引き上げも終盤に近いのではないかとの思惑が強まった。欧州債は上昇し、長期金利は低下に向かった。またユーロは前日はぜんぜん動かなかったのに、金利低下の思惑で100ポイント以上も急落した。

 ユーロが落ちてきたことで、ようやくユーロドルもドル高の流れとなってきたようだ。ドル円と同じく、ユーロドルも年初来のドル高値に近づきつつある。ドル相場に限らず、他のリスクファクターを見ても、年初来の水準に張り付いている。株価は米国も日本も今年の最高値にまで戻す勢いを取り戻しているし、長期金利も動きが少ないながらも年初来の高水準の利回りを維持している。

 ソフトランディングが主張されているが、そのためには長期金利が低下し、株価が下落しなくてはいけない。そのまったく逆を行っているのだ。

日本時間 15時00分

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