米ドル/円は145円~149円のレンジで神経質な展開が続く
みなさん、こんにちは
新NISAがらみの外国株投信買いに伴うドル買い需要により、年初こそあっという間に8円急騰した米ドル/円ですが、その後は、145円~149円の狭いレンジでのもみ合いに終始しています。
本日の「内田日銀副総裁の講演」をきっかけに、レンジブレイクが期待されたのですが、「マイナス金利解除後どんどん利上げをしていくようなパスは考えにくい」とのコメントにより、米ドル/円も日経平均も反発。
一時、ボラティリティ(振れ幅)だけは上がったものの、米ドル/円は変わらず145円~149円の狭いレンジでの乱高下が続いています。
(出所:TradingView)
中期的には、米国の利下げ、一方日本の金融政策は正常化が行われるのでしょうから、もう一度米ドル/円は下値を探る展開もあるのでしょう。
ただ、今は材料にかけており、当面同じレンジでの推移が続きそうです。
次にトレンドを形成する通貨はどれか?
過去2週間、主要通貨は米ドル/円を筆頭に、狭いレンジでの神経質な展開となっており、なかなか明確なトレンドは出てきません。
ここで次にトレンドを形成する可能性がある通貨を探すため、主要通貨の騰落率を確認してみましょう。
今月に入ってまだ日は浅いのですが、下図は本稿執筆時点での今月の対米ドルでの主要通貨の騰落率。
8日時点ではスイスフランが対米ドルで最も値を下げた通貨になります。
本コラムで注目しているスイスフランは、2月に入って徐々に下落が鮮明になっています。
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スイス国立銀行がスイスフランの売り手に変わった?
ブルームバーグによれば、「シティバンクは、最近のバランスシート・データは、スイス国立銀行(SNB)が現在、スイスフランを売っていることを示唆しているとコメントしている」とのこと。
過去のコラムで何度もとりあげているように、今年に入ってからSNBはもう通貨高を必要としていません。
【※関連記事はこちら!】
⇒米ドル/円は高値を追わない押し目買い方針を継続。1米ドル=150円台では、当局の介入警戒感も残る!?スイスフランは対ユーロ、対米ドルでの戻り売りで(2024年1月25日、西原宏一)
昨年までは、強いスイスフランがインフレ上昇を抑えるのに役立ってきましたが、輸出企業にとって通貨高が重荷になり始めてるからです。
ただSNBが積極的にスイスフランを売りに回ることは、米国からの批判も懸念されるため、政治的に難しいかもしれません。
しかし、スイスフランが値を上げてくる局面では、通貨高抑制のため、SNBはスイスフラン売り介入をしている可能性は高いのではないかと想定しています。
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スイスフラン/円の下値は拡大へ
スイスフラン安のメインの通貨ペアは、ユーロ/スイスフランと米ドル/スイスフランなのでしょうが、149円台が極めて重い動きをしている米ドル/円の動きから考えれば、スイスフラン/円の下値も拡大していると想定しています。
(出所:TradingView)
ちなみに、シティバンクやTD証券は、スイスフラン/円売りを推奨しているようです。
米ドル/円は145円~149円のレンジ圏内での神経質な展開が続きそう。
SNBがスイスフランの売り手に変わったため、続落するスイスフランにも注目です。
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