11月5日米大統領選挙実施！支持率拮抗で情勢は混沌！
2024年11月5日（火）、今年（2024年）最大のビッグイベントとも言える米国の大統領選挙が実施されます。
民主党はカマラ・ハリス副大統領、共和党はトランプ前大統領を候補に立て、熾烈な選挙戦を繰り広げています。
米国の複数のメディアが報じたところでは、選挙戦終盤になっても支持率に大きな差はなく、投票箱を開けるまではどうなるかわかりません。
緊迫する情勢の中、ザイ投資戦略メルマガの著者は状況をどのように分析して、マーケットの動向をどう見ているのでしょうか。
市場はトランプ勝利を織り込みにかかっている【志摩力男氏】
はじめに、志摩力男さんは市場はトランプ勝利を織り込みにかかっているという認識を示しています。
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スイング・ステート（共和党・民主党の支持率が拮抗し選挙のたびに勝利政党が変動する州を指す言葉）と言われる接戦州の情勢から、市場ではトランプ氏当選を前提とした「トランプトレード」が活発化しているとのこと。
志摩さんは選挙予測サイト「Real Clear Politics」にある支持率の推移について、ここではハリス氏がトランプ氏をわずかに上回っているとしています。
（出所:Real Clear Politics）
ハリス氏優勢であれば市場でトランプトレードが活発化する理由にはならなさそうですが、ここで見るべきは全体の支持率ではないそうです。
「米大統領選挙の場合、選挙人制度という不思議な間接選挙を行っているので、全体の支持率の差はあまり意味がありません。
勝敗に関係するのはスイングステートまたは接戦州と言われる一部の選挙区のみが重要になります。
具体的には、TOSS-UPと呼ばれる、まだ誰が勝つかわからない州、ペンシルベニアやミシガンといった州をハリスとトランプどちらが取るかで勝敗が決まります」
確かに、同じく「Real Clear Politics」で掲載されている州ごとの選挙人予測だとトランプ氏がハリス氏を上回っています。
（出所:Real Clear Politics）
（出所:Real Clear Politics）
志摩さんが指摘するトランプトレードをまとめると以下のとおりです。
【トランプトレード】
・米ドル高・株高
・米金利上昇
・仮想通貨（暗号資産）上昇（トランプ氏は支持派になった）
・メキシコペソ売り（高関税が課されるはず）
・人民元売り（将来的に）
・米ドル/円売り
【※関連記事はこちら！】
⇒米国大統領選挙迫る！ハリスvsトランプどちらが優勢なのか？マーケットではトランプ氏当選を前提としたトレードがすでに活発化している!?（10月22日、志摩力男）
米ドルの傾きを羅針盤にトランプ優勢を推測【田向宏行氏】
そして、別の視点からトランプ氏の優勢を推測するのが田向宏行さんです。
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田向さんは、直近の市場の米ドル買いの傾きから推測するという独自の視点から分析しています。
「直近のドルストレート（米ドルが絡んだ通貨ペア）の動きを見ていると、単に米ドル売りポジションをニュートラルに戻す動きだけでなく、米大統領選後を見込んだ先走りの米ドル買いの動きもあるのかもしれません」
この米ドル買いの傾きによるトランプ氏優勢が推測される理由というのが、トランプ氏の政策や発言にあるそうです。
「トランプ氏が言うように、中国やメキシコなどを念頭に関税を引き上げれば、関税分は市場価格に反映されるので、米国内の物価が上昇します。
また、減税は財政状況を悪化させるので、金利は高止まりしやすく、この点でも米ドル高要因です」
（リアルタイムチャートはこちら → FXチャート＆レート：米ドルVS世界の通貨 日足）
一方で、素直に米ドル高に動くかについては懐疑的な見方もあるようで「トランプ氏の選挙に帯同することもあるライトハイザー氏が米財務長官になれば、極端な米ドル安・円高もあり得る」とのこと。
詳しくは、以下のコラムをご覧いただくとして、米国の経済政策が変わると、為替市場にもとんでもないインパクトを与えることがあることは、知っておく必要があると警鐘を鳴らしています。
【※関連記事はこちら！】
⇒米ドル買いがさらに続けば、市場はトランプ氏優勢を考え始めているかも。米経済政策の変更は、数年で為替市場にとんでもない衝撃を与える！ 大きな動きに向けて資金温存（10月22日、田向宏行）
トランプ当選の場合の円相場へのインパクトを警戒【今井雅人氏】
そして、トランプ氏が大統領に当選した場合の円相場へのインパクトを警戒しているのが今井雅人さんです。
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「問題はトランプ候補が当選したケースです。
この場合、減税期待から株価は上昇することが予想されます。為替市場では、やや米ドル高だと思いますが、円相場が難しい。
リスクオンの円安というシナリオと貿易摩擦の激化による円高、どちらになるのかが今のところわかりません。それは、今後のトランプ候補の発言から整理するしかなさそうです」
一方で、ハリス氏が当選した場合はバイデン大統領の政策を踏襲することになるので、それほどインパクトはないだろうと指摘しています。
「カマラハリス候補が当選した場合は、バイデン政権の踏襲ということであまり大きなインパクトはないと思います。
大企業、富裕層への増税を打ち出しているので、少し株安に振れるかもしれませんが、それも軽微に終わるでしょう」
【※関連記事はこちら！】
⇒米ドル/円は当面147円台から149円台を想定しレンジトレードでしのぐ！米大統領選挙が次の山場だがトランプが当選した場合のマーケットの動きに注意！（10月25日、今井雅人）
今回はザイ投資戦略メルマガ著者、志摩力男氏、田向宏行氏、今井雅人氏の米大統領選挙への見方をまとめました。
現状では、ハリス氏とトランプ氏のどちらが大統領になるのかはまだわかりませんが、相場が大きく動くイベントになるので、情勢を見極めながら、しっかりポジション管理をしてトレードに臨みたいですね。
（ザイ投資戦略メルマガ）
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