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 昨日は欧州序盤で地政学的なリスクが膨らんだ。ウクライナが米供与の長距離ミサイルを使用したことが明らかとなって、それに対してプーチン大統領が核使用の基準を緩和したのだ。本人が「長距離ミサイルを使うと第３次世界大戦が起こる」と明言してきたのだから当然のことである。

 しかしマーケットはそれに過敏に反応した。リスク回避の動きが顕著に出た。久しぶりの地政学的リスクの高まりだったからでもあろう。米国株を始め、欧州株や日経先物のナイトセッションでは株価が大幅下落。安全資産とされる長期債は買われ、金利は低下した。

 為替相場はどちらに反応するのかは注意が必要だった。リスク回避ならばドル円やユーロ円は下がるはずである。一方で戦争にフォーカスを当てるならば「有事のドル買い」ということで、ドル円は買い進まないといけない。しかしこれだけは市場が決めるものであって、どちらに動くかはマーケット次第なのである。

 ユーロ円が極端な売りものに押されることとなり、ドル円は下げ圧力に見舞われた。ドル円は153円台の前半まで押し込まれた。それでもそれよりは深押しをすることはなく、ドル円は低空飛行ながらも徐々に値を戻していった。

 ニューヨーク時間ではむしろクロス円の買い戻しが強くなって、ドル円もユーロドルも日中の高値圏で引けることとなった。材料はないのだが、イランの核濃縮プランに前進があったということだ。

 今夜はニューヨーク引け後にアヌビディアの決算がある。やはり最大注目の株でもあるので、それまでは様子見とならざるをえないだろう。すでに買いたい人は買っているはずであり、悪い材料に対しての市場の反応の方が激しくなるだろう。

日本時間 15時00分

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