日銀・FOMCともに政策金利据え置き
今週(3月17日~)は、日銀の金融政策決定会合とFOMC(米連邦公開市場委員会)が開催されました。
どちらも、今回は政策金利は据え置きとなりました。これは予想どおりの結果ですが、ひとつの背景には、トランプ米大統領の経済政策に対する懸念があります。
実際に、この点について声明文、あるいは会見で触れられていました。トランプ政権はこうした金融政策の決定にも影響を与えています。

トランプ政権は金融政策の決定にも影響を与えている(C)Mark Wilson/Getty Images
日銀は、現在の実質金利がマイナスになっていることを問題視していますので、今年(2025年)2回程度は利上げをする可能性は非常に高いと考えています。しかし、トランプショックの影響を見定めるという判断をして、利上げは6月頃かそれ以降になってくるのではないかと思います。
米国は最近、CPI等若干弱い数字が出てきましたので、年内2回程度の利下げが想定されています。しかし、こちらも政治リスクを考えて、少し先に延びることが想定されます。
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先行不透明な環境ではポジション調整が起きやすい
こうして、先行きが不透明で動きづらい状況になっているとき、投資家はどういう行動に出るのか?
それは、いったんリスクを減らしておこうというバイアスが働くということです。IMM(国際通貨先物市場)の円とユーロのポジションを見ると、米ドル/円では円ロング(買い)、つまり米ドル/円のショート(売り)が積み上がっていました。

(詳しくはこちら → 経済指標/金利:シカゴIMM通貨先物ポジションの推移)
また、ユーロ/米ドルに関しては恒常的にユーロショート(売り)になっていました。このポジションの調整がここまで起きていました。その結果、円安、そしてユーロ高という流れに一時なっていました。
米ドル/円上昇、ユーロ/米ドル上昇、ユーロ/円上昇という流れです。ユーロ・米ドルに関しては、先週ロングに転じました。それ以降、ユーロの上昇は止まっています。

(詳しくはこちら → 経済指標/金利:シカゴIMM通貨先物ポジションの推移)
一方、米ドル/円はまだショートが残っていますので、今週発表される結果に注目しておきたいと思います。
このような不透明な環境では、ポジション調整が起きやすく、調整がひと段落すると流れも止まるという傾向があることを頭に入れておいてください。
また、一般的にポジションの傾きは、ストキャスティクス、RSI、MACDなどのオシレーター系のチャートもポジションの推移と連動して変化する傾向があります。
ですから、こうしたオシレーター系のチャートも参考にしておくとよいと思います。個人的にはMACDをよく使っています。
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米ドル/円の目先のめどは150円、152円程度もあり得る
今後の展開としては、ユーロ/米ドルが買われ過ぎゾーンに入り、かつ高値近辺でもみ合いに入っており、ここから反転して下落するような形になっています。

(出所:TradingiView)
それを期待してユーロ/円ショートポジションの方向でトレードをやっていこうと考えています。米ドル/円、およびクロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)に関しては、米ドル/円のポジションがどうなっているのかを確認する必要があります。
また、チャート上はまだ売られ過ぎ状況にありますので、もう少し上昇する可能性は残っていると考えています。とりあえずのめどは150円、さらにマックスで152円程度もありうると予想しています。それを念頭において、デイトレ(デイトレード)に徹したいと思います。

(出所:TradingiView)
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