プーチン大統領はトランプ米大統領との電話会談で、30日間の停戦に同意しなかったが、ポジティブにとらえてよさそう
みなさん、こんにちは。
注目のロシアのプーチン大統領とトランプ米大統領の電話会談が、日本時間18〜19日未明に開催されました。
この会談でプーチン大統領は、米国が求めていた広範な30日間の停戦には同意しませんでした。しかし、ウクライナのエネルギー資産に対するロシアの攻撃を制限することを確約。
結果として「停戦できなかった」ことで、この電話会談は意味がないという意見も多いのですが、米国とロシアとの話し合いが始まったという点においては、ポジティブにとらえていいのではと考えています。
話し合いが行われなければ、ロシアとウクライナの紛争は、さらに長期化する可能性が高まるためです。
停戦できなかったことは欧州にとってネガティブかもしれませんが、ドイツから好材料が出ています。
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ドイツの財政政策は、数十年にわたる緊縮路線から拡大政策へ大転換
3月18日(火)、ドイツ連邦議会(下院)は、財政改革パッケージを賛成多数で可決しました。
一時「緑の党が反対していた」ことが懸念されていましたが、3月17日(月)にメルツ次期ドイツ首相が、緑の党と合意に達しています。
これでドイツの財政政策は、数十年にわたる緊縮路線から財政拡大政策へとかじを切ったことになります。
財政改革パッケージの詳細は下記のとおりです。
ドイツの財政改革パッケージの詳細
1. 防衛・安全保障関連の支出としてGDPの1%、つまり約450億ユーロ(約7兆4000億円)を超える額が、ドイツ憲法に盛り込まれた借り入れ制限、いわゆる「債務ブレーキ」から除外される
2. 実質的にGDPの1%を超える支出に上限がなくなり、ロシアへの抑止力として再軍備するための無制限の資金供給につながる可能性がある
3. 予算外の特別なインフラ基金が憲法に組み込まれ、今後12年間に5000億ユーロを上限として借り入れを行うことが可能になる
これで「ドイツの再軍備」が注目されることになります。
この変化はドイツだけのものではなく、「欧州の再軍備」が2025年の新しいテーマとして注目されています。
昨年(2024年)末は、トランプ2.0により2025年が欧州にとってかなり厳しい年となり、ユーロ/米ドルはパリティ(1ユーロ=1.00ドル)割れがコンセンサスでしたが、その頃とはさま変わりしています。
この大きな変化のきっかけとなったのが、2月28日(金)にホワイトハウスで行われたトランプ米大統領とウクライナのゼレンスキー大統領の口論でした。
【※関連記事はこちら!】
⇒ユーロ/円を引き続き戻り売り! ゼレンスキーの皮肉なコメントに、米国とウクライナの会談は決裂。ユーロの上値が重くリスクオフに。株安を重視なら豪ドル/円も注目(3月3日、西原宏一&叶内文子)
それを受けて発表された、米国側からウクライナに対する武器・軍事情報供与の一時停止という報道。
この時点で、ドイツの再軍備に対する意識は大きく変わったと言えます。
それはドイツだけではなく、欧州全域にかけて再軍備が見直される展開となりそうです。
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ユーロ/米ドルは1.1200ドルに向けて上昇中。マーケットのポジションにより、米ドル/円は安値売り厳禁!
まず、ドルインデックスが続落する中、ユーロ/米ドルは上昇し、米ドル/円は値を下げていましたが、先週のコラムでご紹介したとおり、「円ポジションが史上最大のロング」である環境では、米ドル/円は値を下げられず反発。
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⇒米ドル/円は安値を売らず、忍耐強く戻り売り継続か。日米為替論争が関税交渉に利用されれば下落トレンドは継続も、投機筋の円買いが史上最大で突然踏み上げられる可能性(3月13日、西原宏一)
今週(3月17日~)は一時149.93円と、150.00円レベルまで急反発しています。
ただ、米ドル/円に関しては、短期筋の円ロングの調整が終われば、反発も限定的だと考えているため、それまで安値を叩かず、戻りを待ちたいところ。

(出所:TradingView)
ドイツのみならず、欧州の再軍備化が報道される中、ユーロ/米ドルは1.1200ドルに向けて上昇中です。

(出所:TradingView)
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