NYタイムのドル円は、昨晩の米連邦公開市場委員会(FOMC)で示されたタカ派的な据え置きスタンスを背景にした「ドルの底堅さ」と、年初来高値を更新したことによる「本邦通貨当局による実弾の円買い介入への強い警戒感」が拮抗する、神経質な展開を想定する。
日米の金融政策を巡っては、日銀が政策金利を1.00%程度へ引き上げたものの、内田日銀副総裁の会見が今後の継続的な利上げに対して慎重なトーンに留まったことで、市場の早期追加利上げ観測が後退。一方で、昨晩のFOMCでは大方の予想通りFF金利(3.50-3.75%)が据え置かれたものの、同時に公表されたドット・プロット(金利予測分布図)でメンバーの予測中央値が引き上げられ、年内1回の利上げ(9人が年内利上げを支持)が示唆された。
今回就任した新たな米連邦準備理事会(FRB)議長ウォーシュ氏は、自身のドットプロット提出を拒み、声明文からフォワードガイダンスを削除するなど、FRBの伝統的なコミュニケーション手法の「体制転換」を印象付けた。そうしたなかタカ派色を示した結果、日米の金利差が改めて意識されやすくなり、ドル高・円安トレンドを支える格好となっている。
ただ、ドル円はドル高の流れに沿って一時160.80円と昨日高値に面合わせしたものの、直後にまとまった売りが観測され160.48円まで一転下落するなど、上値での実弾介入への恐怖心が売り圧力を呼び込みやすい環境となっている。物価抑制の必要性を意識しているとされる高市政権が利上げ容認姿勢を窺わせていることから、円安に伴う輸入物価上昇への対抗措置として、為替政策面でも実弾介入に前向きな姿勢を示す可能性が高い。5月末時点の外貨準備高において、即座に原資となる預金が1622億ドル確保されていることも市場の心理的圧迫となっており、161円台を窺う局面や上値を追う局面では、突発的な実弾介入に伴う乱高下への警戒を怠ることはできない。
欧州・東京タイムを通じて、米10年債利回りの低下やWTI原油先物の74ドル半ばへの下落を背景に、ドル円は160円台で比較的狭いレンジで伸び悩むこう着相場となっていたが、再び底堅さを増し、160.90円台で年初来高値を更新中。介入への恐怖心からすれば積極的に上値を買い進みにくいものの、NY勢の本格参入後にドル高の地合いをさらに強めるか、あるいは当局が行動をとるのか見極めどころとなる。
・想定レンジ上限
ドル円の上値めどは、過去の介入実績からも次の強い心理的節目として意識される161.00円や、2024年7月高値161.95円。
・想定レンジ下限
ドル円の下値めどは、3日安値159.37円。本日まとまった売りで突っ込んだ際につけた160.48円も一つのポイントとして意識しておきたい。
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