FOMCは十分タカ派な内容! 年末までに1.5回の利上げを織り込み始めた
みなさん、こんにちは。
日本時間6月18日(木)未明、ウォーシュ新FRB(米連邦準備制度理事会)議長就任後、初めてのFOMC(米連邦公開市場委員会)が開催されました。誘導目標金利はコンセンサスどおり、3.50~3.75%で据え置きでした。
前回会合までの声明文には「次の政策変更は利下げの可能性が高い」と市場に解釈されてきた表現がありましたが、今回はこの先の金融政策運営の方向性に関する文言が削除されました。
声明文の分量は、パウエル前FRB議長が仕切った4月末会合時の声明と比べておよそ半分。今回削除された文言の大枠は、4年半ぶりに利下げした2024年9月の会合から採用されていたものです。
マーケットが予想していたとおり、十分タカ派的な内容であり、OIS(Overnight Index Swap、翌日物金利スワップ)では年末までに1.5回の利上げ(利下げではなく)を織り込み始めました。
米ドルは全面高。ユーロ/米ドルは一時1.1500ドルを割り込みました。米ドル/円も値を上げましたが、介入警戒感が高いため160円台後半で上げ渋るものの底堅い動きとなっています。
ただ、米金利の上昇だけで米ドルが上がっているわけではありません。米ドル優位となっている他の材料も確認していきましょう。
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イラン戦争が停戦しても米ドル安に回帰せず。「米国例外主義」トレードの復活で米ドル高継続
振り返ってみれば、2月28日(土)にイラン戦争が勃発したことをきっかけに、エネルギー輸出国でもあり避難通貨としても機能する米ドルが買われてきました。
ところが、戦争の終結が近づいてきましたが、マーケットは米ドル安に回帰しません。
この要因は2点あります。1つ目は、AIブームが米国経済を他国より優位に保っていること。
それを象徴するのが、スペースX(SpaceX)の大型IPO(新規株式公開)です。注目のスペースX株の上昇はすさまじく、6月15日(月)の終値は192.46ドルで、IPO価格の135ドルを42%余り上回り、あっという間に時価総額2.5兆ドル超となりました。その後もスペースXの快進撃は続き、時価総額でアマゾンを上回ってきています。すごすぎます…。

(出所:TradingView(トレーディングビュー))
今後も一方的に上がり続けることは不可能なので、一時的に値を下げることもあるのでしょうが、スペースXのIPOが象徴しているように、AIブームが米国経済を他国より優位にしていることを表しているとも言えます。
次が米金利の上昇。年初は利下げが織り込まれていましたが、米国のインフレが収まらず、利下げ期待が大きく後退。そして前述のとおり、OISでは年内の利上げまで織り込み始めています。
これらの米国と米ドルの強さを、FT(フィナンシャル・タイムズ)は米国例外主義トレード(“US exceptionalism” trade)と称しています。JPモルガンのアナリストはこれを「米国例外主義」への投資家の信頼回復によるものと分析しています。
結局、今回の米ドル高は「戦争で一時的に上がった」だけではなく、米国の強さ(AI景気+雇用+インフレ)が背景にあるので、イラン終戦後も米ドルが下がりにくく、じわじわと上がっていくと想定しています。
雇用といえば、AIで多くの職が失われて景気が悪化するという見方もあったのですが、今のところそうした傾向は見られず、米雇用がしっかりしていることも注目です。
米ドル/円は介入が気になるところですが、全通貨米ドル高の地合いの中、単独介入を実施するのはかなり難しいと想定しています。仮に介入が入れば、米ドルの押し目として認識され、米ドル/円は下げきれないと考えています。
米ドル/円の介入警戒水域はバリアオプションがある162.00円で、押し目買い方針です。
【※関連記事はこちら!】
⇒米ドル/円は162.00円のオプションに要警戒。為替市場では米国とイランによる最終合意を見届けたいムードとなるか?スペースX上場で時価総額2兆ドル企業誕生!(6月15日、西原宏一&叶内文子)

(出所:TradingView)
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