今週(9月7日~)は11日(金)に米CPIの発表を控えていますが、その前に米財務省による国債バイバック(買い戻し)オペレーションが実施され、結果発表が続きます。
ベッセント財務長官から発表されたバイバック、市場の流動性改善や金利・為替・株式市場への影響に大きな注目が集まるイベントです。
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⇒米財務省による長期金利の抑え込みは成功するのか?1回目のバイバックの規模に市場は注目!ベッセント財務長官の焦りと「Debasement Trade」の正体(8月26日、松崎美子)
統一した見解が見つからないバイバックをめぐる動き
FXトレーダーの間では「具体的にどのタイミングで相場が動くのか?」について、意見が割れています。実は私もいろいろ報道を読み漁りましたが、最終的にどれが正解なのかわからなくなり、ひさしぶりにAIの意見を聞きました。
驚いたことに、そこでも初めはクリアな見解が得られず、1時間以上かけて質問や疑問を投げ続け、やっとひとつの見解にたどり着きました。
●そもそもバイバックとは?
まず基本のキですが、バイバックとは市場参加者(プライマリーディーラー等)から、「この価格でこの国債を売ります」という応募を募り、米財務省が条件の良いモノから買い取っていく落札のプロセスを指します。
●緊張感が高まるのは、オペレーション日
こちらは米財務省が8月5日に発表したバイバック計画表です。
私たちが注目するのは、期間10~30年(10~20年、20年~30年)ゾーンの長期国債で、実施期間は、9月9日(水)~11月4日(水)。

(出所:米財務省)
この表の黄色くハイライトした部分について、説明します。
アナウンス日 9月9日(水)
10年~20年物国債を対象としてバイバックが実施。このアナウンス日には、バイバックの「具体的対象銘柄(CUSIPリスト)」が発表される。
オペレーション日 9月10日(木)
9日に発表された対象銘柄のバイバックが実際に実施される日。現地時間14時(日本時間27時)にオペレーションが終了し、その直後に結果が発表される。8月19日に米財務省は最大購入額の倍増枠適用を発表しているので、条件さえ折り合えば40億ドルかそれ以上となる公算。

(出所:米財務省)
●緊張感が高まる本番
ここが意見の分かれた点ですが、実際にマーケットが動くのは、9月10日(木)オペレーション日の米国市場14時(日本時間 27時)過ぎと考えられます。
ベッセント財務長官の「9月9日からのバイバック」という発言は、手続き上の開始日(中長期債の銘柄公表日)を指していると考えられ、われわれFX勢や国債・株式トレーダー達が最も警戒すべき実際のオペレーション自体は、9月10日(木)に実行です。
●なぜ9月9日(水)ではなく「9月10日のオペ終了後」に相場が動くのか?
9月9日(水)の現地時間午前11時(日本時間24時)に発表されるのは、「明日どの銘柄を買い戻すか?」という対象リストに過ぎません。すでに市場が織り込んでいる事前枠組の範囲内であれば、この段階で相場が大きくサプライズな反応を示す可能性は低いと考えるのが、妥当でしょう。
そして市場の値動きを決定づけるアルゴリズムやヘッジファンド、大口機関投資家が牙をむくのは、実際に買い取りが行われ、その結果が開示された瞬間です。
繰り返しになりますが、
オペ実施時間:9月10日(木)13時40分 ~ 14時(日本時間 26時40分~27時)
結果公表時間:9月10日(木)14時~5分ごろ(日本時間 27時2分~5分頃)
そうなると、9月9日(水)の時点では市場は予想外の銘柄が選ばれない限り、「様子見」となる公算が高く、9月10日(木)のオペ終了直後に本当のボラティリティが発生するというのが、構造上の正しい分析となるようです。
●オペ結果で確認する「5つの数値」
9月10日(木)に発表されるオペレーション結果で、私たちがチェックすべきポイントは、以下の5点になります。
下に過去の国債入札(オークション)結果を参考として貼りましたが、バイバックの場合は出てくる単語や情報が変わり、赤く囲んだ③投資家属性に関するデータは発表されません。
①買い戻し上限枠(Maximum/Limit Amount)
40億ドルがベンチマークとなっていますが、そこからどのくらい拡大されたかが判明します。
②応札額(Total Offered)
市場がどれくらい「買い戻して欲しい」「売りたい」と差し出してきた額。
③実際の買い戻し額・落札額 (Total Accepted)
もっとも重要な「最終的に財務省はいくら買い取ったか?」の確定額で、この数字が実際の「バイバック額」となります。
市場の需給や価格が合わない場合には、財務省が買い戻し額を減らすこともあり、上限より少ない額で終わることもあるそうなので、注意しましょう。上限いっぱいまで買い取られたかを見ることは、財務省の本気度を分析する材料となるはずです。
④応札額(Offered Amount)と「応札倍率」
今回はプライマリーディーラーのみ参加となるため、彼らが「買い取ってほしい」と差し出した金額の合計です。
新規の国債入札(この場合は、バイバックではなく、オークションと呼ぶ)では応札倍率が高いほど「買いたい人が多くて好調」を意味しますが、バイバックにおける高倍率は「手放したがっている国債が多い」ことを意味します。
⑤銘柄別の落札状況
どの国債が多く買い取られたかを見ることで、市場のどの部分に流動性ストレスがかかっていたのかを後から読み解くことができます。ただ、為替を中心に動く私たちには、その詳細がFX取引に有利になるかは、少々疑問です。
なお、新規国債入札とは異なり、バイバックの相手方は上述の通り指名されたプライマリーディーラーのみに限定されるため、「非居住者となる海外からの投資家がどれだけ売ったか?」といった投資家属性の即時データ(下の添付表の赤い枠の部分)は公表されません。

(出所:米財務省)
個人投資家としての立ち回り方
今回の国債バイバックについて、トレードや市場分析に活かすためにタイムラインを整理しておきましょう。
9月9日(水)
対象銘柄の発表(アナウンス日)。過度な期待でフライングポジションを持たず、静観する。万が一、動き始めたら、国債銘柄の選択に予想外の動きが出たと理解するのが正解らしい(←このあたりの解釈は、前例がないため、あくまでも予測となります)。
9月10日 (木)現地時間14時(日本時間27時)
オペ実施終了。ここから集中力を高める。
9月10日(木)現地時間14時2分~5分以降(日本時間27時3分以降)
結果発表。実際の買い戻し額と応札倍率を確認し、長期金利が低下すれば、バイバックは成功したという理解。
問題は、米ドルの動き。ここでも意見が分かれており、
長期金利低下=米ドル売り
国債バイバックが成功し、国債利回りが低下したら、金利差縮小で米ドル売りと言う考え方。
長期金利低下=株式上昇=米ドル買い
長期金利が低下すれば、株式は上昇する。米国の景気が良くなるという前提で、米ドルは買いという考え方。
私自身は、「米ドル売り」と考えていますが、こればかりは実際に結果を見ないことにはあまり決めつけないほうが良いかもしれません。
最後になりますが、ここまで読んでいただいて申し訳ありませんが、今回の内容については100%の自信があるわけではありません。
アナウンス日の9月9日(水)現地時間14時直後から市場は大きく動くという予想を出している大手銀行のアナリストも一定数いるようです。ひとまず9月9日(水)現地時間14時には私もマーケットの動きを見るため待機しますが、翌10日(木)の動きに期待しています。





















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