3月10日のコラムなどで、今年の為替市場のポイントは各国の金融政策だとお伝えしてきました。具体的に言えば、いつ利上げをしてくるかということです(「欧州から始まった先進国の利上げ合戦。英国は3~4月? 米国は6月? 豪州は…」などを参照)。
また、アメリカについてはFRB(米連邦準備制度理事会)による国債買い入れの期限となる6月末が1つの焦点になるとご紹介しました。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 週足)
最近になってFRBの関係者から、7月以降は国債買い入れを継続しないとか、買い入れの規模を縮小するといったニュアンスの発言が出てきています。
また、しばらくは利上げしないという見方も少なからずあるようですが、マーケットにおいて、いよいよアメリカの「出口戦略」が始まるのかといった観測も日々高まっているようです。
これらを受けて、米ドル/円が上昇し、それに引っ張られて、クロス円も上値を伸ばしているという状況なのです。
■震災復興は円高要因とも、円安要因とも言えない
震災の影響とアメリカの金融政策、この2つの要因が重なり合って、現在の円安傾向がもたらされていると思います。
さて、今後の動きですが、震災復興に莫大な費用がかかるということはすでに明らかになっていますし、それが突然変化することはないでしょう。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨 vs 円 日足)
そして、これは財政悪化と復興特需という2面性を持っていますが、そのこと自体は円高要因とも、円安要因とも言えないと思います。
ただ、経常収支の悪化と日本からの資金流出という観点で考えれば、円安がさらに進む可能性はあると思います。
震災の影響がどの程度あるのか、今後も注視する必要があるでしょう。
【ザイFX!編集部からのお知らせ】
ザイFX!でもおなじみの今井雅人さんからのレポートを受けて、ザイFX!が 配信する「ザイFX! FXプレミアム配信 With今井雅人(月額:5,500円(税込))」。
その日のニュースをコンパクトに解説し、今後の為替の値動きについての予測とともに、今井氏のポジションについても可能な限り配信する、実践型の有料メルマガです。
「ザイFX! FXプレミアム配信 With今井雅人」には10日間の無料体験期間がありますので、ぜひ一度体験していただき、みなさんのトレードの参考にしてみてください。
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)