ユーロ圏各国の格下げはまだ序章！
投資銀行関係者の見方はかなりネガティブ

2012年01月19日(木)20:31公開 (2012年01月19日(木)20:31更新)

今井雅人

■ユーロに買い戻しの動きはあるが、状況は依然変わらず！

みなさん、こんにちは。

今週に入って、少しユーロが買い戻しの動きを見せています。

ユーロ/米ドル日足

ユーロ/円日足

（リアルタイムチャートはこちら → FXチャート＆レート：ユーロ/円日足）

ただ、ちょっと投資銀行の関係者から話を聞きましたが、状況はあまり変わっていないようです。というのも、ユーロに関しては、相当ネガティブな意見が依然として多いとのこと。

さらに、ギリシャを含めて、どこか財政的に厳しい国が離脱するような、行くところまで行ってしまわないと、このユーロ問題は解決しないだろうとの見方が強くなっているようです。

「マーケット関係者はここまでネガティブである」ということが、非常に印象的でした。

また、これは、私個人の意見ですが、ユーロの共同債というものが出てくれば、現在、ユーロ圏で問題となっているクレジットクランチ（信用収縮）も、ある程度は収まってくるのではないでしょうか？

ただ、共同債ということになってくれば、やはり、ネックになってくるのはドイツです。ドイツ国民からしてみれば、今まで放漫経営をしていた国の財政負担を強いられるのは耐え難いことでしょう。

国民の不満も強く、メルケル首相がこの問題をきれいにまとめることができるのかも不透明です。

ただ、そうはいっても、もし、うまくまとめることができれば、ユーロの買い戻しが進む可能性もあります。「共同債」というところに、少し注目しておきたいと思います。

ユーロ/米ドル日足

また、ユーロ圏の問題では、格付けについても注目しておく必要があります。

前週はＳ＆Ｐ（スタンダード＆プアーズ）が、フランスやイタリアなどの格付けを引き下げました。正に負の連鎖が起こっています。欧州の問題はまだ解決していませんから、格付けがさらに引き下げられることは十分考えられることでしょう。

イタリアの格付けが「ＢＢＢ＋」になってしまったり、フランスが「ＡＡＡ」から転落してしまったり、最近は格付けが、たびたび引き下げられていますが、この動きはまだ序章であると考えておきましょう。

ユーロの先行きはまだまだ暗いです。

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