■日銀や中国でも。各国で金融緩和強化の動き
そして、先週(2月13日から始まる週)、日銀が新たな金融緩和策を発表しています。
ポイントは2つです。
1つは国債の買い取り枠を10兆円増額した点。
そしてもう一点は物価の目標をより明確にした点です。2%以下を目標とし、当面は1%の物価上昇を目指す、そして、それが達成されるまでは、金融緩和を継続するというものです。
これは、日本の株式市場には好材料ですし、当然、円安要因にもなってきます。
その上、先週末には中国の中央銀行が預金準備率を0.5%引き下げることを決めました。
これは2カ月連続の措置で、各国が金融緩和を強化したことが株式市場の上昇要因となっています。
■株高・円安の2つめの要因はギリシャショックの緩和
そして、2点目はギリシャショックの緩和です。
2月20日(月)、EU(欧州連合)とIMF(国際通貨基金)はギリシャに対して追加支援を決定しました。
ギリシャは3月20日(火)に145億ユーロの国債償還を控えていて、この資金繰りが大変懸念されていました。今回、ギリシャへの1300億ユーロの追加融資が決定されたことで、ギリシャの当面のデフォルトリスクは回避されることとなります。
この決定でギリシャの財政危機が根本的に解決されたわけではありませんし、あくまでも暫定的な安定です。しかし、それでも、当面の混乱は避けることができたと言えるでしょう。
こうした2つの環境が整ったことで、金融市場が好転を始めているというのが、今のマーケット環境だと思います。
この傾向は、次になにか市場を混乱させる要因が出てくるまで継続することになるのではないでしょうか?
現状では、イラン問題の深刻化、欧州の債務問題の再燃などが想定されますが、いずれにしても、それまでは金融市場は安定した動きを見せると考えています。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:豪ドル/円 日足)
このような状況ですから、米ドル/円や豪ドル/円、NZドル/円などで円売りをする戦略が有効になってくると思います。
【ザイFX!編集部からのお知らせ】
ザイFX!でもおなじみの今井雅人さんからのレポートを受けて、ザイFX!が 配信する「ザイFX! FXプレミアム配信 With今井雅人(月額:5,500円(税込))」。
その日のニュースをコンパクトに解説し、今後の為替の値動きについての予測とともに、今井氏のポジションについても可能な限り配信する、実践型の有料メルマガです。
「ザイFX! FXプレミアム配信 With今井雅人」には10日間の無料体験期間がありますので、ぜひ一度体験していただき、みなさんのトレードの参考にしてみてください。
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)