今週(2012年2月13日から始まる週)、日銀は大胆な決定を下しました。
今回はそのあたりのことを詳しくご説明していきながら、今後のマーケットのことを考えていきたいと思います。
■日銀、2月14日に政策金利の据え置きを決定!
日本の中央銀行である日本銀行(日銀)は、2012年2月14日(火)の金融政策決定会合で政策金利を据え置くことを決めました。
声明では、以下の内容が示されました。
(1)中長期的に持続可能な物価の安定と整合的と判断する物価上昇率として、「中長期的な物価安定の目途」を新たに導入。消費者物価指数の前年比上昇率で2%以下をプラス領域とし、当面は前年比上昇率1%を目途とする。
(2)当面、消費者物価指数の前年比上昇率1%を目指して実質的なゼロ金利政策と金融資産の買い入れ等の措置により、強力に金融緩和を推進していく。
(3)資産買い入れ等の基金を55兆円程度から65兆円程度に10兆円程度増額する。買い入れの対象は長期国債とする。
■日銀はマーケットの期待した方策を打ち出してきた
今回の会合でもっとも重要になってくるのは、1番目の「中長期的な物価安定の目途」を新たに導入したという点になります。
日銀はこれまでも「中長期的な物価安定の理解」として、物価上昇の範囲を示していました。しかし、一部では、先月にFRB(米連邦準備制度理事会)が打ち出した「長期的な物価目標」に比べてわかりにくい、という声が出ていたのです。
マーケットの声に日銀がどの程度配慮したかはわかりませんが、結果的にはマーケットの期待した方策を打ち出してきたことになります。
■マーケットも日銀の声明に反応した動き
そして、これまでの「中長期的な物価安定の理解」というのは、あくまでも「各政策委員」が判断している、というものでした。
しかし、今回打ち出された「中長期的な物価安定の目途」というのは、日銀が主体となっていることを意味しています。日銀が一致団結して消費者物価の目標を定めた、ということで、この意味は非常に大きいでしょう。
金融緩和、物価上昇に対して、日銀が本気になっているということを、市場参加者は感じ取ったというわけです。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 1時間足)
実際にマーケットでも、今回の声明を受けて大きく動き出すこととなりました。
2月15日(水)には、米ドル/円が2011年10月末以来の78.67円まで上昇。そのほかのクロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)も軒並み堅調な動きとなっています。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)
■為替市場では全体的に円安が進みやすい動きに
これまで、なかなか重い腰を上げなかった日銀が、とうとう動き出しました。私自身は一段の施策を打ち出すことを期待していますが、マーケットはひとまず今回の決定を好意的にとらえているように思います。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨VS日本円 4時間足)
為替市場では全体的に円安が進みやすくなると考えておきたいと思います。
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