■ユーロ/豪ドルは年初来安値をブレイク
みなさん、こんにちは。
マーケットでは引き続きユーロが軟調な展開。
特にユーロクロス(ユーロと米ドル以外の通貨との通貨ペア)でのユーロ安が際立っています。
このコラムで何度もご紹介させていただいているユーロ/豪ドルは、ついに年初来安値であった1.2133ドルをブレイクし、下落が加速。
現時点で1.1933ドルまで急落しています。
(出所:CQG)
7月5日(木)のコラムでご紹介したユーロ/スウェーデンクローナは、ついに8.600クローナをも下抜け、一時8.5336クローナまで急落。
(出所:CQG)
【参考記事】
●下落が収まらないユーロクロス。LIBORの不正操作問題でポンドの下落余地拡大!(7月5日)
LIBOR(ロンドン銀行間取引金利)不正疑惑で軟調な英ポンドに対しても、ユーロは値を崩しています。
一方、主要通貨ペアのユーロ/米ドルは1.22ドル台前半、ユーロ/円も97円台割れとユーロ独歩安の展開。
■豪ドル/米ドルも大きく下落の可能性あり
前述のとおり、ユーロ/豪ドルは1.2133ドルを割り込んで以来、このレベルを回復することもなく下落を続けており、この通貨ペアが依然マーケットの中心。
ただ、短期的には日足のTDコンボ(※)が一時的な売られ過ぎを示しているので、ヘッジファンドの友人たちはいったんユーロ/豪ドルのショートを縮小して戻り待ちの姿勢のようです。
豪ドルに関しては、先週(7月2日~)PBC(中国人民銀行) が2カ月連続の利下げを決定したことが、7月13日(金)発表予定の中国のGDP悪化を連想させ、豪ドル/米ドルは1.03ドルミドルがレジスタンスになっています。
(編集部注:「TDコンボ」とは、米テクニカルアナリストのトーマス・R・デマーク氏が開発したテクニカル指標の1つ)

(リアルタイムチャートはこちら →FXチャート&レート:豪ドル/米ドル 4時間足)
そのため、ユーロ/豪ドルの下落にも関わらず、豪ドル/米ドル単体では上値が徐々に重くなってきています。
こうした環境下、ユーロ/豪ドルも短期ではいったんの反発を警戒し、戻り売りという展開。
中国経済の減速が徐々に鮮明になる中、ユーロ/豪ドルの下落にも関わらず、仮に豪ドル/米ドルが1.03ドルミドルを超えられなければ、豪ドル/米ドルも大きく下落する可能性があります。
そのため、ヘッジファンドの友人はユーロの下落に加え、豪ドル/米ドルの反落にも警戒しています。
■ユーロ/米ドルはECBの発表で300ポイントの下落
さて、ユーロの下落が鮮明となったのが、7月5日(木)に発表されたECB(欧州中央銀行)理事会の結果。
先週(7月2日~)のECBでは25bpt(0.25%)の利下げを発表しましたが、これはコンセンサスどおり。
市場にサプライズを与えたのは、預金ファシリティ金利をゼロにしたことでした。
これにより市中銀行がECBにお金を預けてもまったく利息がつかないということになり、この決定がヘッジファンドなどのユーロ売りを誘っている模様。
ユーロを調達通貨としてトレードするということですね。
これにより、ユーロ/米ドルはECBの発表があった7月5日(木)オープニングの1.2527ドルから、1.2213ドルまでほぼ300ポイント下落。

(リアルタイムチャートはこちら →FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 4時間足)
前述のとおり、ユーロ/豪ドルは年初来安値を更新し、1.1933ドルまで急落しました。
■ユーロ/円は6月1日(金)の安値95.59円まで下げるか?
注目はユーロ/円。
ユーロ/円は100円を割り込み、さらに一時97.00円を割り込み、96円台まで急落。

(リアルタイムチャートはこちら →FXチャート&レート:ユーロ/円 4時間足)
多くの主要通貨で金融緩和が決定される中、総体的に円の価値がじりじりと上がっている展開となっています。
ユーロ/円はメディアでも大きく取り上げられることもなく、節目の100円を割り込みじり安の展開。
リスクオフ下でのクロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)の下げではなく、ECBの金融政策から始まったユーロ/円の下落であるため、下落が加速することもなくじわじわと下げ続ける展開が濃厚です。
ユーロ/円は6月1日(金)の安値95.59円までじりじりと値を下げていくのではないでしょうか?
(出所:MetaQuotes Software社のメタトレーダー)
当面、ユーロ/円の動向に注目です。
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