■欧州もマイナスサプライズは起きそうもない
欧州に目を向けてみると、キプロスではIMF(国際通貨基金)からの支援を受けるかどうかが議会で議論され、僅差ではあったものの可決されました。
また、もっとも金融危機の典型国であったギリシャは、10年物の国債利回りが、ついに10%を割り込んでくるなど欧州市場にも落ち着きが出てきています。
ただし、欧州各国は緊縮財政を強いられているために景気は低迷しており、2013年のユーロ圏のGDPはマイナス0.5%程度にまで下方修正されています。これに対してECB(欧州中央銀行)は、政策金利を0.25%引き下げて過去最低の0.5%にしてきました。
景気は、ある程度は下支えされることになるでしょう。いずれにしても当面大きなマイナスサプライズは、起きそうもないムードとなっています。
中国の景気低迷が若干気になりますが、それは中期的な課題と考えれば、日米の株式市場はまだ、上昇余力があると見ておいたほうがよさそうです。
■スピードは緩やかだが、いずれ100円を突破するだろう
一方、為替市場では円安が一服した状態となっています。
以前と違って、世界的に低金利となったために、国内投資家は外国の債券などに魅力を感じなくなってきていることが大きな原因となっているのではないかと考えています。
実際に生保の投資計画を見てみると、外債投資に関しては、昨年(2012年)と同程度というところが目立ちます。また、新規投資を増やすと答えている機関投資家も為替リスクを取らない、いわゆるヘッジ付き外債を中心とするようです。
これでは円売りは発生しないので、円安は進行しません。こうした行動が円安の進行を鈍らせているのだと思います。GW明けの投資家の動きを期待していましたが、今のところは音沙汰なしとなっています。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)
しかし、だからといって円高方向に向かう要因があるわけでもありません。スピードは緩やかかもしれませんが、いずれ1ドル=100円を突破する局面がやってくると考えています。
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