■米緩和縮小が早まれば米国株が売られ日本にも影響が…
まず1点目は、日本の長期金利です。現在、日本の10年物国債の利回り(日本の長期金利)は、0.8%台で落ち着いています。
(出所:CQG)
しかし、今回の一連の外国人投資家の動きでわかったとおり、もし今後どこかのタイミングで長期金利が上昇し始めると、また株安・円高が進む可能性が高いということです。
2点目は、米国の金融政策です。昨日(6月19日)、FOMC(米連邦公開市場委員会)が開かれましたが、FRB(米連邦準備制度理事会)のバーナンキ議長は、FOMC終了後の記者会見で次のように発言しています。
「入手するデータがこの経済予測と大まかに一致すれば、年内に購入ペースを緩めるのが適切だと委員会は現在のところ見込んでいる」
「その後のデータもわれわれの現在の経済予測と大まかに沿う状況が続けば、来年上期にかけて慎重にステップを踏みながら、購入ペースの減速を続け、年半ばごろに購入を終了させる」
これが早まってくるようなことがあれば、米国株がまた売られる可能性があり、それが日本にも影響を及ぼすということです。
(出所:米国FXCM)
次のFOMCに注目したいと思います。
■豪ドル下落の背景に中国信用バブル崩壊の懸念が…
3点目は、中国の動向です。先日、米国のウォールストリート・ジャーナルに書かれていましたが、中国にはノンバンクなどによる過剰投資、過剰貸付が進み、巨額の不良債権となりつつあるという問題があります。
中国信用バブルの崩壊は近い、と予想している専門家もいます。代表的な株式指数の上海総合指数も年初来7%の下落と、中国経済の先行きを懸念していることが示唆されています。
(出所:CQG)
豪ドルの下落には、こうしたことも影響しているようです。
■安倍政権の成長戦略が骨抜きなら、また失望売り
4点目は、安倍政権が、今後詳細を詰めていく成長戦略です。先日成長戦略が発表されたとき、日経平均は急落しました。
(出所:株マップ.com)
内容が具体的でなかったため、失望売りが出たということです。政府は今後詳細を詰めていくと言っていますが、それが骨抜きになっていたりすると、さらなる失望売りが出てくるでしょう。
以上のような点を注意しながら、今後の相場を見ていきたいと思います。
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