致死率７割のエボラ熱が大幅調整の一因。
想定外の株価急落と円高はいつまで続く？

2014年10月16日(木)15:41公開 (2014年10月16日(木)15:41更新)

今井雅人

■予想以上に大きな調整！その原因とは？

前回のコラムで、調整相場の後、方向感のない展開に向かうというお話をしました。

【参考記事】
●ドル/円は当面107～110円のレンジ入りか。雇用統計強いがドル買い続かぬ理由は？（10月９日、今井雅人）

その後の相場は、予想したような展開となってきていますが、私が考えていたより、調整の度合いが大きくなっています。ここまで大きな調整になるのは、少し想定外でありました。

米ドル/円４時間足

調整の原因は世界経済の低迷ですが、その直接の原因となったのは、前回のコラムでご紹介したＩＭＦ（国際通貨基金）の世界経済見通しの下方修正であったと思います。

そして、それに加えて、この調整を大きくしてしまったのは、エボラ熱ショックだと思っています。

報道にあるとおり、エボラ熱の脅威が米国本土に及んでいます。１名が死亡、そして現時点で３名の方への感染が確認されています。３人目の感染者は、潜伏中に民間の飛行機に乗っていたことがわかっていて、さらなる感染の広がりが心配されています。

報告されていないものを含めると、致死率はなんと７割という恐ろしい感染症でありますから、米国ばかりではなく世界全体にとって大変な脅威となっています。

すでに米国の航空関連株などは、20％も株価が下落しているようです。もし、日本にも影響が及んだりすると、鳥インフルエンザどころではない、大パニックになってしまうかもしれません。

何としても水際で止めることと、早期の治療薬の開発を政府が前面に立って、行っていただきたいと思います。

また、中国の景気状況にも暗雲が立ち込めています。先日、中国の消費者物価指数の９月分が発表されましたが、前年同月比1.6％と2010年１月以来、４年８カ月ぶりの低水準となりました。これも、懸念材料の１つです。

こうしたことも受けて、米国中心に株価が急落し、米ドル高の是正、リスク回避の円買いによる円高が起きています。

米国株（ＵＳ30）日足

世界の通貨ＶＳ円４時間足

また、こうした傾向が一番現れているのが…

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