■世界的な金融緩和の中、RBA利下げで豪ドル急落
昨年(2014年)は、黒田バズーカ2により、米ドル/円のみならず、ユーロ/円を筆頭に、クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)でも全般的に円安が急激に進行。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨VS円 週足)
しかし、その後は、前述のように、インドやペルー、スイス、デンマーク、シンガポール、ロシア、オーストラリアなど、多数の国で緩和が実施されました。
ECBのQEにより、一転してユーロは対円でも急落し、ユーロ/円は2014年12月高値の149.78円からほぼ20円急落しました。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/円 日足)
2月3日(火)のRBA(オーストラリア準備銀行[豪州の中央銀行])の利下げを受け、豪ドル/円は一時、90円を割り込み、89.37円まで急落しています。
(詳しくはこちら → 経済指標/金利: 各国政策金利の推移)
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:豪ドル/円 1時間足)
■米ドル/円は底固め後、122円へ向けて上昇の公算高い
世界的な金融緩和競争により、クロス円の売りが頻繁に持ち込まれる中、米ドル/円は異様な耐性を見せ、現状は117円台でのレンジで推移しています。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 4時間足)
多くのクロス円の売りによる円高圧力を吸収したと想定されるのが、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)による円売り。
マーケットのウワサでは、2015年に入って、連日のように年金と思われる米ドル買いが観測されているとのことで、その米ドル買いが米ドル/円の下落を限定的にしています。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)
今週、2月3日(火)のRBAの利下げにより、グローバルな金融緩和競争はほぼ一巡したと見られ、クロス円の売り圧力は一服。
年金からの米ドル買いはまだ断続的に続くと見られ、米ドル/円は116~119円でのレンジで底固めした後は、再び122円に向けて上昇する公算が高いのではないでしょうか?
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 週足)
金融緩和競争が一巡した後の米ドル/円の動向に注目です。
【ザイFX!編集部からのお知らせ】
ザイFX!で人気の西原宏一さんと、ザイFX!編集部がお届けする有料メルマガ、それが「トレード戦略指令!(月額:6600円・税込)」です。
「トレード戦略指令!」は10日間の無料体験期間がありますので、初心者にもわかりやすいタイムリーな為替予想をはじめ、実践的な売買アドバイスやチャートによる相場分析などを、ぜひ体験してください。
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)