■黒田総裁の発言で、米ドル/円は122円台半ばへ急落
「オバマショック」で124円台に押し戻された米ドル/円ですが、6月10日(水)には、日銀の黒田総裁が下記のコメントをしたことから急落。
実質実効為替レートがさらに円安になるのは、普通に考えればありそうにない=黒田日銀総裁
米当局からの米ドル高けん制コメントの次は、本邦当局から円安けん制コメントが発せられたことから、米ドル/円は122円台半ばまで急落しました。
(出所:米国FXCM)
米国の利上げ期待が高まる中、日米当局から米ドル高や円安けん制コメントが発せられたことから、好調な米経済指標とは裏腹に米ドル安へ。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 4時間足)
■米当局の目的は、米ドル上昇の発射レベルを下げること
米当局の目的は、米ドル高抑制そのものというよりは、FRBによる利上げ前に米ドル上昇の発射レベルを下げることにあります。
これにより、短期の米ドル/円の上値メドは125円ということになります。
下値メドは、このコラムで何度かご紹介している、1990年4月高値からの長期トレンドラインである122円台前半。結果、米ドル/円の当面のレンジは122~125円。
【参考記事】
●ドル/円は122円超、日経平均は2万2000円へ上昇するのが濃厚と考える理由とは?(4月23日、西原宏一)
●125円に急接近のドル/円は128円も視野に! なぜ、ドル高・円安は突然加速したのか?(5月28日、西原宏一)
(出所:米国FXCM)
仮に、この長期トレンドラインが崩れると、米ドル高トレンドの調整幅が深くなり、米ドル/円は120~125円のレンジでの米ドル高調整相場へ。
(出所:米国FXCM)
すでに述べたように、米国が利上げに向かっている公算が高まっており、長期の米ドル高トレンドは変わりません。
したがって、今回の調整局面で米ドル/円の下落が深くなれば、中長期プレイヤーにとっては、米ドルのロングを再構築する良いチャンスとなるのですが…。
(出所:米国FXCM)
日米当局から米ドル高や円安けん制コメントが飛び出した米ドル/円の動向に注目です。
【ザイFX!編集部からのお知らせ】
ザイFX!で人気の西原宏一さんと、ザイFX!編集部がお届けする有料メルマガ、それが「トレード戦略指令!(月額:6600円・税込)」です。
「トレード戦略指令!」は10日間の無料体験期間がありますので、初心者にもわかりやすいタイムリーな為替予想をはじめ、実践的な売買アドバイスやチャートによる相場分析などを、ぜひ体験してください。
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)