■上海株ショックはリーマンショックほどの激震ではない
公的資金に加え、巨大M&Aの円売りにより、米ドル/円と日経平均はようやく下げ渋り。
一方、多くのエコノミストの間では、今回の上海株ショックは、リーマンショックほど大きく取り上げられていません。
【参考記事】
●中国発のリスク回避強まり世界同時株安!南アランド/円は乱高下、一時10%超暴落!
邦銀のエコノミトの友人に話を聞いてみると、今回の上海株ショックは、リーマンショックほどの激震は走っていないとのこと…。
リーマンショックは、欧米先進国のバランスシート調整によるもので、その影響は多岐に渡ったわけですが、今回は銀行が資金調達に苦しみ、クレジットクランチが起きているわけではないとのこと。
ただ個人的には、リーマンショックも「日本への影響は大きくない」と言われていたわりには、日本株に激震が走ったことは記憶に新しいところ。
特に、本丸のNYダウが1万7000ドルを回復しない限り、マーケットはまだ神経質な展開が続きます。
【参考記事】
●NYダウはさらに暴落するリスクあり!? 株高のカギを握る本邦当局の一手とは?(8月27日、西原宏一)
■日本株低迷なら日銀の追加緩和期待はさらに高まる
そこで期待が高まってきたのが、前回コラムでご紹介させていただいた日銀の追加緩和です。
【参考記事】
●日本株安・円高でアベノミクスが苦境に。待望される日銀の追加緩和はあるのか?
「伸びない設備投資、4-6月期実質GDPのマイナス、日本株の急落」など、アベノミクスは徐々に追い込まれる展開に。こうした中、日銀の追加緩和への期待が先週(8月31日~)よりさらに高まっています。
来週、9月14日(月)~15日(火)に開催される日銀会合に関しては、9月16日(水)~17日(木)にFOMC(米連邦公開市場委員会)を控えているため、追加緩和の可能性は低いのですが、現在の日本株の低迷が続けば、わずかであった日銀の追加緩和の可能性がじわじわと高まってきます。
米ドル/円と日本株がメイントレンドに回帰できるかどうかを探るため、引き続き、日銀の動向に注目です。
■NZ中銀は利下げを決定! NZドルの下落トレンドは継続へ
一方、オセアニア通貨は軟調。特にNZドルに関しては、RBNZ(ニュージーランド準備銀行[ニュージーランドの中央銀行])が政策金利を断続的に引き下げているため、上値は限定的。
(出所:米国FXCM)
本日(9月10日)のRBNZでは、追加利下げが決定。これで、政策金利は2.75%に。今年(2015年)の12月には、もう一段の利下げが見込まれています。
(詳しくはこちら → 経済指標/金利: 各国政策金利の推移)
加えて、RBNZのウィーラー総裁が、「輸出品価格の急落を考慮すると、さらなるNZドルの下落が妥当」とコメント。
このところ、ウィーラー総裁の通貨安誘導コメントは影を潜めていたため、マーケットは即座にNZドル売りで反応しました。
(出所:米国FXCM)
RBNZによる追加利下げが断続的に行われている、NZドルの上値は重いまま…。
NZドル/米ドルは、節目の0.6500ドルをブレイクし、じり安の展開が続いており、中期では0.5500ドル方向に続落する可能性が濃厚。
(出所:米国FXCM)
米ドル/円がメイントレンドに戻れるかどうかのカギを握る日銀の動向と、下落を続けるNZドルの行方に注目です。
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