■日銀追加緩和が実施されたら、株価は一時的に上昇か
ただ、1点あるとしたら、消費者物価指数がマイナスとなったことで、現在、日銀による追加緩和期待が高まっていることでしょう。
昨日9月30日(水)に発表された8月鉱工業生産指数速報も前月比マイナス0.5%と、市場予想の1.0%を大幅に下回る弱い数字となっており、もし追加緩和が実施されるとすれば、株価は一時的に上昇することになると思います。
おそらく、官邸からは、追加緩和の要請がかなりいっているのでは? と想像していますが、それでも黒田日銀総裁は、これから徐々に物価は上昇していくとの見方を崩してはいないので、そう簡単には緩和に応じないのではないでしょうか。
【参考記事】
●大義名分なき追加緩和を見送った日銀!米FOMC利上げは6月ではなく9月頃か(4月30日、今井雅人)
●本音ポロリ!? 黒田総裁発言の真意とは?一時的な影響で再びドル高・円安に戻るか(6月11日、今井雅人)
さらにいえば、たとえ金融緩和を実施したとしても、現在のアベノミクスは、金融緩和頼みということが露呈してきている現状では、影響もあまり持続しないのではないかと考えています。
■原油価格下落で資金難!? 株価低迷の背景に産油国の影!?
また、現在、原油価格は45ドル近辺で低迷しています。
(出所:米国FXCM)
その影響で資源国通貨が下落してきていることは、みなさんもご存知のとおりですが、この低迷がさらに、その他の金融市場にも影響してきているようです。
世界最大の産油国サウジアラビアの通貨庁、通称SAMAは、世界各国のヘッジファンドなどの運用会社から、日本円で約8兆円の資金を回収しているということが今週(9月28日~)に入って明らかになりました。
関係者の中では、原油価格の下落に伴って財政難に陥り、一部資金を回収したとの見方が広がっています。こうした動きが、他の産油国、あるいは資源国でも起きている可能性があるのかもしれません。
そうであれば、そういった筋の資金が、各国の株式市場から逃げ出しているということが、世界の株価の低迷につながっている可能性は否定できません。
このような点を考慮すれば、今後も株式市場には、試練が続く公算が高いと考えておいた方が良いでしょう。
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