■GPIFは玉切れで相場を押し上げるのは困難
さらに、これまで下値を執拗に買い支えていたGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)などの本邦年金資金などには、ここにきて、かつてのような玉はもう存在しておらず、「リバランス」と称する下落分の埋め合わせの買いが、その都度持ち込まれるだけの状況となっています。
【参考記事】
●驚きのGPIF資産残高構成。もう、玉切れで株高・円安の流れが変わる可能性も…(2015年4月2日)
●一方的な株高・円安になりにくいワケは?GPIFの株買い・円売りはまだ続くのか?(2015年7月16日)
こういった明白な買い支えがなくなった今、やはり相場を押し上げることは難しいでしょう。
■麻生金融相が強めのけん制発言
2月11日(木)の海外市場では、本邦勢が祝日で不在の中、米ドル/円は一時111円を割り込むまで急落。日経平均先物も、1万5000円割れ寸前のレベルまで売り込まれました。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 1時間足)
本日の東京市場では、さっそく麻生副総理兼財務金融相が、「為替の急激な変動は望ましくない」とした上で、「必要に応じて適切に対応する」という、かなり強めのけん制発言を行いました。
また、「G20(20カ国地域財務相・中央銀行総裁会議)で政策協調について協議を進める」ことにも言及しています。
■一時的な反発があっても、きちんと売っていって!
これからの展開ですが、G20(20カ国地域財務相・中央銀行総裁会議)やG7(先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議)などで何らかのアクションが取られる可能性が高まってきました。
「介入」などが実施されれば、当然、米ドル/円は急騰する場面もあると思いますが、その時は絶好の売り場を提供することになると思っています。
2015年8月の「チャイナブラックマンデー」以降の相場は、突っ込んで売り込まれたあと、しばらくもみ合いを続けて年末に向けて戻りを試す底堅い動きも見られましたが、今回の急落は事情が違っています。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 週足)
根本的に解決策が見出せていない金融市場となっていることから、以前のショック後と同じような回復が進むとは考えづらいです。
やはり、一時的な反発があっても、そこをきちんと売っていける準備をしておくことが重要となってきそうです。
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