■イエレンFRB議長の発言でムードが変わった
相場がこう着状態に入ると、猫の目のように好材料、悪材料が交替に出てきて、右往左往する展開になるのはよく見られる光景ですが、最近もそんな状況になってきています。
ここのところ、少し米ドル高に向かっていたのですが、3月29日(火)のイエレンFRB(米連邦準備制度理事会)議長の発言で、すっかりそのムードが変わってしまいました。
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イエレン議長の発言要旨は以下のとおりです。
「必要に応じ、刺激策講じる余地はかなりある」
「利上げにおける慎重な姿勢は特に正当化される」
「コアインフレ加速、持続可能性の判断時期尚早」
「世界的な動向からの影響波及は全般に限定的」
「FOMC(米連邦公開市場委員会)は今後数年、緩やかな利上げを想定している」
つまり、まだ利上げを焦る必要はないということを言っているわけです。
この発言で、2016年4月に利上げをするのではないか、という市場の淡い期待は打ち砕かれる形となりました。
■米国の株価にはややプラス、為替市場では米ドル安に
さらに、シカゴ連銀のエバンス総裁は、低インフレを踏まえると、2016年4月の利上げのハードルは高いが、労働市場の改善が続けば6月の利上げはありうる、との認識を示しています。
この発言も、4月利上げ期待をしぼませました。
こうしたことは、米国の株価にはややプラスに働いているようです。また、為替市場では米ドル安方向に反応しています。
(出所:CQG)
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■特殊な円売りでクロス円でも円安が進んだか
米ドル/円に関して言えば、利上げ期待の米ドル高と期末関連の円売りで、114円近くまで米ドル高・円安が進行していました。
欧米のヘッジファンドなどはさらなる円安を期待して、115円、120円などのドルコールオプションを買う動きを活発化させていました。
また、一部で言われていたのは、日本の商社が海外の資源ビジネスでかなりの損失を出した分の減損処理をするために、期末にかけて円売りをしているのではないかという観測も見られました。
おそらくこうした特殊な円売りが出ていることで、クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)でも円安が進んだのではないかと思っています。
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こうした動きの中…
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