強い米雇用統計でFRBの利上げ期待が高まった
先週末(6月5日)、米国の雇用統計5月分が発表されました。失業率や平均時給は、それぞれ4.3%、前年比3.4%と予想通りでしたが、NFP(非農業部門雇用者数変化)が予想8.5万人の増加のところ、17.9万人の増加と予想を大きく上回る結果となりました。
米国経済が好調ということで、長期金利は上昇し、金利高を嫌気して、株式市場は大幅な下落を見せました。
また、為替市場では、金利上昇からの米ドル高と、株価下落によるリスクオフの動きからの円買いが同時に起きました。
最近、米国の経済指標で相場は大きく動くことがなかったので、やや意表を突かれた感じです。巷では、「ブラックマンデーの再来か」という声も聞こえましたが、そこまでのことにはなってはいません。ちょっと騒ぎすぎだったと思います。
ただ、FRB(米連邦準備制度理事会)が利上げ方向に判断を傾ける可能性がより高まったことは事実です。そうなると、今後金利には上昇圧力がかかり続けるというシナリオは考えられます。
その影響からやや米ドルに上昇圧力がかかる可能性は考えておいたほうがいいかと思います。米ドル高圧力の影響もあり、米ドル/円は160円台半ばから後半にまで上昇してきています。

(出所:TradingView)
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日本政府は為替介入にかなり悩んでいる?
前回、米ドル売り・円買い介入したときの米ドル/円の高値水準は160.70円近辺でしたので、そのレベルに近づいてきました。日本政府は、この先介入を実施するのでしょうか?
正直、かなり悩んでいるのではないでしょうか。
1.まず、ゴールデンウィーク近辺に行われた米ドル売り(円買い)介入は11.7兆円にも及びましたが、ほとんど効果なく、日本政府も予想外ではなかったかと思います。
過去の介入規模を見てみると、2022年9~10月が約9.1兆円、2024年4~5月が約9.8兆円、2024年7月が5.5兆円です。それに比べても大規模だったことがわかります。
これまでの介入の時は、しばらく円高傾向が続いたのですが、今回は1カ月もしないうちに元の水準に戻っています。政府関係者はマーケットの反応を苦々しく見ていると思います。

(出所:TradingView)
2.現在、水準こそ160円台とかなり円安に来ていますが、ゆっくりゆっくり米ドル高・円安が進んできています。為替介入時の建前として、過度な変動を抑えるためという目的がありますが、今回はその理由がやや説明しづらい状況にあります。
そうはいっても、このまま放置しておくと、161円台を超えていってしまう可能性もあります。
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日銀会合後に円安が進行した局面での介入もあるか
今のところ片山大臣の発言は「常に断固たる措置を取る準備がある」というものですが、どうも切迫感を感じない発言です。
【※関連記事はこちら!】
⇒米ドル/円は反発後に膠着…なぜ、10兆円規模の為替介入に効果がなかったのか?片山財務大臣の円安は投機筋によるものとの説明には大いに異論あり!(5月21日、今井雅人)
この発言から推測するに現在、どのタイミングで次の介入を実施すればいいのか検討しているところだと思います。
さて、来週(6月15日~)は日銀の金融政策決定会合があります。今回、0.25%の利上げが決定されるのは確実視されています。
問題は、この先の運営方針ですが、当面様子見をするようなニュアンスをマーケットが嗅ぎ取ると円売りに反応する可能性もあるため、注目しておきましょう。
もしかすると、日銀会合後に円安が進行した場合、そのタイミングで介入が入るというシナリオも頭に入れておきたいと思います。
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