■ドーハ会合では原油増産凍結見送りとなり、原油相場急落
4月17日(日)にドーハで開催された主要産油国による会合で、原油増産凍結がどうなるかに市場の注目が集まっていた。
草案では「10月まで増産凍結で合意」になっているとの報道も一時流れたが、最終的な結果は、原油増産凍結見送りで合意には至らなかった。
同会合においては、イランの石油相が出席しないことを表明。一方、サウジアラビアはイランを含むOPEC(石油輸出国機構)全加盟国による増産凍結を主張したとのことで、これが合意の大きなネックとなったようだ。
この決定を受けて、WTI原油先物相場は40ドル台半ばから37ドル台後半まで一時、6%超の急落。ブレント原油も42ドル台後半から40ドル台前半まで、同じく6%超急落した。
(出所:CQG)
(出所:CQG)
WTI原油先物相場は、4月に入ってから上昇基調となっていたが、今回の急落を受けて、上昇幅の半値以上、戻してしまっている。
(出所:CQG)
なお、ザイFX!執筆陣の中では、西原宏一さんが今回の会合に注目していて、増産凍結の合意がなされるのかどうかが、原油本格反発の大きなカギになるとの見方を示していた。
【参考記事】
●パナマ文書が安倍政権の爆弾になる!? 原油本格反発のカギ握るドーハ会合に注目(4月14日、西原宏一)
そして、FXデイトレーダーのZEROさんは、本日(4月18日)公開された動画コラムで、同会合について触れ、やはり、イランの欠席とサウジアラビアの反対が響いたと指摘している。
【参考記事】
●ドーハ会合また増産凍結に合意できず! ルー米財務長官が円安誘導に釘をさす。(4月18日、ZERO)
■週明けの東京市場では資源国通貨安、円高が進む
ドーハ会合の結果を受けて原油相場が急落する中、週明けの東京市場ではリスク回避が強まる展開。為替市場では資源国通貨安、円高が急速に進行した。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨VS円 30分足)
そして、米ドル/円も下窓を開けてスタートすると一時、108円の大台割れとなった。その後、買い戻しが入ったものの、戻りは108.20円水準までと限定的なものに留まった。ただ、日本時間13時30分現在では、それ以上の急落までにはなっておらず、108.00円台を挟んだもみ合いとなっている。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 30分足)
なお、円高については、4月14日(木)~15日(金)に開催されていたG20(20カ国・地域財務相・中央銀行総裁会議)終了後の記者会見にて、米国のルー財務長官が日本の円売り介入をけん制する発言をしたことも円高材料として意識されたようだ。
また、このように、原油安、円高が急速に進んだことから、週明けの日経平均は大幅安でスタートすると、前営業日比で一時、500円超の下落。
(出所:株マップ.com)
なお日経平均の下落については、原油安、円高に加えて、熊本で発生した地震による影響もある模様。
ドーハ会合での原油増産凍結見送りを受けた原油相場の急落により、リスク回避に動いた為替相場。この動きが欧州市場や米国市場にまで波及していくのか、今後の動きをしっかりチェックしていく必要がありそうだ。
(ザイFX!編集部・庄司正高)
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