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西原宏一・叶内文子の「FX&株 今週の作戦会議」

ユーロ/円などクロス円の押し目買い継続! 中東情勢悪化で原油108ドルへ急騰の試算も…景気悪化で日銀の利上げ後退も円安要因。米ドル/円は153~158円のレンジ継続

2026年03月02日(月)15:05公開 (2026年03月02日(月)15:05更新)
西原宏一&叶内文子

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中東が戦争状態に突入。日銀審議委員にリフレ派2人選出で「日本株高+クロス円での円安」の流れは変わるか

西原宏一(以下、トレーダー西原)叶内文子(以下、MC叶内) ​みなさん、こんにちは。

MC叶内 西原さん、今年(2026年)になっていろいろとフォローしなければいけないことが多いのですが、先週末も大きな事件が起きていますね。

トレーダー西原 そうなんです。マーケットが懸念したとおりとはいえ、米国とイスラエルによるイラン攻撃で、中東は戦争状態に突入

 先週(2月23日~)も、日銀審議委員にリフレ(※)派2人が選ばれるというニュースで、マーケットは大きく揺れましたが、それをじっくり検証する間もなく、新しいヘッドラインが飛び出しています。マーケットの動きに遅れないよう、頑張ってついていきましょう。

(※「リフレ(リフレーション、reflation)」とは、デフレから脱却し、過剰なインフレにならない程度まで物価を引き上げるために、金融政策や財政政策を実施すること)

【※関連記事はこちら!】
ユーロ/円は190円に向かう可能性大! 日銀審議委員候補が2名ともリフレ派で、日経平均は6万円が視野。対主要通貨の米ドル安で、米ドル/円は153〜158円のレンジ継続か(2月26日、西原宏一)

 それでは叶内さん、まず先週の株の振り返りからお願いします。

MC叶内 米国株は主要3指数とも週間で下落しました。NYダウ平均は約−1.3%、S&P500は約−0.4%、ナスダック総合指数は約−1.0%の下落となりました。

 特にハイテク株・金融株に売りが目立ちました。これはAIにからむ懸念、卸売物価指数の予想比上振れ、英国住宅金融会社の破綻(はたん)による損失懸念が市場心理を冷やしたためです。

 そして、緊迫するイラン情勢も相場を圧迫しました。米国債は地政学リスクで買われ、10年債利回りは昨年(2025年)11月来初めて4%を割り込みました。

 先週注目のエヌビディア決算は「素晴らしい」ものだったと思います。CEOの発言も、AIバブル懸念を払拭(ふっしょく)したと受け取られていました。引け後いったん買われたのですが、そこで失速。どうやら大きなかたまりがあった200ドルのオプションがらみの影響が強かったようです。

 半導体関連は総じて売られ、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は前週末比1.96%安となり、11週ぶりの下落となりました。

 一方、日経平均は前週末比2024円(3.6%)高の5万8850円と、2週ぶりに上昇しました。祝日があって4日間だった先週はずっと上げっぱなし(日経平均終値ベース)。連日の最高値更新で初となる5万9000円台に乗せる場面も。夜間CFDでは一時6万円を付けました。驚く強さだったと思います。週後半は半導体関連株が売られ、日経平均も下げる場面もありましたが、他のセクターに物色が移って、全体は底堅く推移しました。

 為替市場はいかがでしたか。

トレーダー西原 先週は、日銀審議委員に2名ともリフレ派の人物が指名されたことで一気に株高、円安が進みました。

 仮に2名ともリフレ派を選ぶと、再び「債券安、円安」を引き起こす可能性があるため、リフレ派は1名とすることでバランスを取るのではないかというのがマーケットのコンセンサスでした。

 しかし実際には、いずれも金融緩和と積極財政を重視するリフレ派とされる学者であったことが、マーケットを驚かせています。日銀審議委員は以下のお二方です。


(1)3月31日(火)に任期満了を迎えるリフレ派の野口旭審議委員の後任に、中央大学名誉教授の浅田統一郎氏(71)
(2)6月29日(月)に任期を終える、金融政策の姿勢で中立とみられている中川順子審議委員の後任に、青山学院大学教授の佐藤綾野氏(57)


 浅田、佐藤両氏の過去の発言を踏まえると、追加利上げのタイミングやペースに影響が生じる可能性があるとマーケットは見ています。

 凄まじかったのが日経平均先物(日経225先物)。一気に6万円をうかがうレベルの5万9700円まで暴騰しています。

日経平均先物(日経225先物) 日足
日経平均先物(日経225先物) 日足チャート

(出所:TradingView(トレーディングビュー))

 為替はどうだったかというと、日経平均に連れ、米ドル/円も一時156.82円まで上がりましたが、160円どころかベッセントゾーン(※)も抜けません

(※「ベッセントゾーン」とは、ベッセント米財務長官が「レートチェック」を発動した157〜158円のゾーンのこと)

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足チャート

(出所:TradingView

 結局、高市トレードによる「日本株高、米ドル/円での円安」というより、「日本株高、クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)での円安」という展開が続いています。

 この流れが、中東情勢の悪化で変わるのかをチェックしましょう。

 それでは叶内さん、今週のイベントと株の注目点をお願いします。

原油108ドルまで急騰の試算も。景気悪化で日銀利上げ阻止の圧力も円安要因で、ユーロ/円中心にクロス円の押し目買い継続

MC叶内 イラン情勢が気になります。リスク回避材料がてんこ盛りの中で日本株は大きく上昇してきましたが、3月末に向けたポジション調整が出る時期です。米国株もマグニフィセントセブン(※)以外は底堅く推移してきました。

(※マグニフィセントセブンとは、米株式市場を代表するテクノロジー企業であるアルファベット、アップル、メタ、アマゾン、マイクロソフト、テスラ、エヌビディアの7社を指す)

 経済指標は重要な発表が相次ぎます。

 3月4日(水)にADP全米雇用報告、3月6日(金)に雇用統計が発表になります。2月のNFPは+6.0万人と予想されています。前回から伸びが大幅に鈍化する見通しです。天候要因があるようです。失業率は4.3%で横ばいとみられています。調査週までの1カ月の失業保険継続受給者が1.4万人増だったことが、雇用の伸びの大幅鈍化を示唆するとの見方もありました。市場予想程度であれば、労働市場の底堅さが確認されそうで、それ自体で好感するのか、あるいは利下げ期待の後退で売りにつながるのでしょうか。

 2月26日(木)には米決済大手のブロックが、従業員1万人超のうち4割を削減すると発表していました。AIによる代替で人員削減がどの程度出てくるのかも話題になりそうです。

 景況感を計るうえで、3月2日(月)の2月の米ISM製造業、3月4日(水)の非製造業の景況感指数が注目されます。ISM製造業は前回52.6と、1年ぶりに節目の50.0を回復しました。今回は51.7が市場予想の中心で、やや悪化するものの50は維持するとみられています。

 3月6日(金)に米小売売上高も出てきます。ただ、今回は悪天候の影響でわかりにくいとの見方が出ていました。

 国内では3月3日(火)に1月失業率、10~12月期法人企業統計が発表され、10年債の入札があります。

 また、3月5日(木)に中国で全国人民代表大会(全人代、国会に相当)が開幕、3月5日(木)~17日(火)まで2026 WORLD BASEBALL CLASSICが開催されます。

 決算発表では、3月4日(水)取引時間終了後のファブレス半導体ブロードコムが注目です。

 為替はいかがですか?

トレーダー西原 先週金曜日(2月27日)のNY市場後場のマーケットの思惑どおり、米国とイスラエルによるイラン攻撃と、イラン側の大規模な反撃により、中東は戦争状態に突入。イランは最高指導者ハメネイ師が殺害されたことを確認しています。

 今回の衝突は、昨年6月の12日間にわたった戦争よりも長期化し、より激しいものとなる恐れがあるとBloombergが報じています。

 視点を変えると、世界経済にとっての核心的なリスクは石油です。

 イランの世界の石油供給はわずか約5%ですが、より重要なのは、世界の石油輸送量の約5分の1がホルムズ海峡を通過していること

 現状、実質的に封鎖状態になっていますが、このホルムズ海峡が実際に封鎖された場合、ブルームバーグ・エコノミクス(BE)の試算では、原油価格は1バレル=108ドルまで上昇する可能性があるとのこと。

NY原油先物 月足
NY原油先物 月足チャート

(出所:TradingView

 リスクオフは円買いになることもありますが、基本的に原油価格の急騰は円売りとなります。原油高は景気悪化につながり、日銀の早期利上げに対して政府からプレッシャーがかかることが想定されることも円安要因です。

 結果、リスクオフの初動は「円買い、スイスフラン買い、米ドル買い」ですが、原油の上昇により、米ドル/円は一時156.80円まで踏み上げています。

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足チャート

(出所:TradingView

 ユーロ/スイスフランは一時年初来安値の0.9025スイスフランで窓開けしてスイスフラン高が進んでいましたが、本稿執筆時点では0.9065スイスフランに戻しています。

 その影響で、ユーロ/円はFX取引スタート前の早朝に一時183.30円まで急落していましたが、なにごともなかったかのように先週金曜日のNYクローズレベルの184.40円まで戻しています。

ユーロ/円 1時間足
ユーロ/円 1時間足チャート

(出所:TradingView

 一時109円台まで下落していた豪ドル/円も111.00円レベルまで反発。ただ、豪ドル/円に関して気になるのがホルムズ海峡です。

 ホルムズ海峡の通行が制限されると日本が困るという意見が多いのですが、一番困るのは、実は中国だと言われています。中国が輸入する原油のおよそ40〜45%程度が、ホルムズ海峡を通って輸送されているという推計があり、中国はイラン産原油最大の買い手なので、ダメージは最大です。

 方針としてはユーロ/円、スイスフラン/円の押し目買いで変わらず、米ドル/円は153〜158円のレンジ継続と見ます。

トレーダー西原MC叶内 それでは、今週も株と為替のトレードを楽しんでいきましょう!


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