■日銀の金融政策だけが別次元! 円キャリートレード継続へ
米/ドル円に関しては、端的に言えば、レンジ相場に入り込んでいます。
それは、やはり日本以外の先進国の金利が上昇傾向にある、あるいはこれから上昇しようとしている一方で、日本の金利が低水準のままであることが、米ドル安の中でドル円の下値を支えると同時に、クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)での円安傾向を作ってきたからです。
そして、本日7月20日(木)に日銀は、日銀金融政策決定会合で「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」政策の継続を決定したと発表しました。
同時に公表した「経済・物価情勢の展望」では、CPI(消費者物価指数)の上昇率が前年比2%程度に達する時期を、これまでの2018年度頃から、2019年度頃へ1年先延ばししました。
また、生鮮食品を除くコアのCPI見通しの中央値を、2017年度は前回4月時点の1.4%から1.1%へ、2018年度は同1.7%から1.5%へ下方修正しました。
一部では、「ECB(欧州中央銀行)などと同様に出口を議論する」との思惑も台頭していましたが、日本の金融政策が他の先進国と比べてまったく違う方向を向いているということが、あらためて確認されました。
【参考記事】
●調整は買いの好機! 黒田氏が日銀総裁である限り、円安トレンド継続に疑いなし!?(7月14日、陳満咲杜)
●引き締めに向かう主要国中銀が「密約」? ECB理事会でのテーパリングの行方は…!?(7月17日、西原宏一&大橋ひろこ)
●金融政策から米ドル買い・円売り揺るがず! 米ドル/円はさらに下がったところで買い!(7月18日、バカラ村)
これを受けて、米ドル/円は112円台前半まで買い戻される動きとなっています。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 5分足)
今後も、クロス円を中心とした「円キャリートレード」を模索するような展開が続くとみていいでしょう。
【参考記事】
●円キャリートレード継続! 金利先高感が強まった通貨を中心にクロス円チェック!(7月13日、今井雅人)
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